Fenrir[3][13](フェンリル[1][3][7][25][26][27]) [男][3]
原典版
概要
巫女の予言
ヴァフズルーズニルの歌
ロキの口論
ギュルヴィたぶらかし
- ロキと女巨人アングルボザとの間に生まれた子供の名。狼の姿をしている。兄弟にヨルムンガンドとヘルがいる。この狼がオーディンを殺すだろうと予言がされていたが、神殿と聖所を血で汚せなかったため殺されず、そのまま神々に飼われていた。ところが毎日大きくなり、神々に災いをもたらすに違いないという予言が告げられたため縛られることになったが、レージングというめっぽう強い足枷も、その倍も強いドローミという足枷も簡単に壊してしまった。次に小人が作ったグレイプニルという足枷をはめられることになったが、不信感を抱いたため、アース神たちが自分を再びはなしてくれる保障として、チュールの片手を口の中に入れさせた。ところが結局フェンリルはグレイプニルをちぎることはできず、チュールの手を、俗に狼の関節(úlfliðr[12])(訳注:手首関節)と呼ばれているところから噛み切った。フェンリルはアームスヴァルトニルという湖の中のリュングヴィと呼ばれる島にラグナレクまで捕らわれることになった。神々はゲルギヤという足枷から綱をのばし、それをギョルという平らな石に通して地中深く埋め、そのあとスヴィティという大きな石をもっと深く地中に打ち込み、それを綱をかける杭にした。さらにフェンリルの口に一本の剣をつっこみ、柄が下顎に、切っ先が上顎にあたるようにして突っかい棒にした。その開けたままの口から流れる涎がヴォーンという川になった[1]
- ラグナレクのおりにすべての足かせと縛めがちぎれおち、ようやく自由となる。上顎は天に、下顎は大地につくほど口をくわっと開け、さらに目と鼻からは火を燃やし、大蛇と共にヴィーグリーズにやってくる。そしてオーディンと戦い飲み込むが、ヴィーザルにその口を引き裂かれる[1]
- ラグナレクのおりに太陽をとらえる[1]
- ヴァーナルガンド[2]
- Þióðvitnir[1](スョーズヴィトニル[1]) フェンリル狼のことか?[1] (Vitnir[9] 狼の同義語[2])
- Fenrisúlfr[12][13](フェンリスウールヴ[1]) フェンリル狼[1][2]、フェンリス狼[3][26] [男][3] (úlfr 英語wolfに相当 [男])[3]
- Hróðr[1](フローズ[1]) 巨人の名。フェンリルの古名か?[1]
- Hróðrsvitnir(フローズルスヴィトニル[1])
- Hróðvitnir[1](フローズヴィトニル[1]) 悪評たかき狼[1]。ハティの親[1] →フェンリルのこと?ロキの口論に出てくるフローズルスヴィトニルと関係がある?[13]の注釈には関連づけて書いているようにも思えるが?
- mǫgr Hveðrungs[3]、megi Hveðrungs[12] フヴェズルング(ロキの別名)の子[1] (mǫgr 息子 [男])[3]
- valdýr[3] ワルハラの獣[3]、屍の獣[1] [中][3] (dýr 鹿、動物 [中] 英語deerに相当)[3]
- [1]では巫女の予言に出てくるケニング「スルトの身内」を「フェンリル」であると解釈しているが、樹を飲み込むのは狼ではなく炎であると表現する方が自然であると思われるので、スルトの身内=炎のケニングではないだろうか?