Atli[3][9][13](アトリ[1][2][3]) [男][3]
原典版
概要
- Hun族の王。Guðrúnの夫となる。Attila、Etzelとも[3]
- 有名なフン族の王アッチラがモデルになっている。453年ゲルマン人の娘イルディコを妻にしたが、婚礼の夜、血を吐いて死んだ。そののち、妻イルディコが夫の復讐を遂げたという話が創作された。その話の中でイルディコはギューキ一族グンダハリ(グンナルのモデルとなった人物)の妹グズルーンにされ、兄の復讐のためアトリを殺したことになっているが、実際には両者の間には歴史上の関わりは無い[1]
- 鳥の言葉が理解できる[1]
フンディング殺しのヘルギの歌Ⅰ
ヒョルヴァルズの子ヘルギの歌
- イズムンド候の息子の名。ある日頭上の枝にとまっている一羽の鳥が、スヴァーヴニルの娘シグルリンはムナルヘイム第一の美女である、と囀っているのをきく。(それを知った)ヒョルヴァルズ王の求婚のために冬の間中スヴァーヴニル王の許に滞在したが、姫には求婚を断られてしまう。再度求婚のために今度はヒョルヴァルズ王と共にスヴァーヴァランドへ向かったが、シグルリンへの求婚者の一人フローズマルによりスヴァーヴニル王は殺され国は焼き払われていた。王とアトリはシグルリンの養父フラーンマル候の魔法によって守られていたシグルリンと候の娘アーロヴを発見し、アトリはアーロヴと結婚した。後にヒョルヴァルズ王とシグルリンとの間に生まれた息子ヘルギと共にフローズマルを討つため出陣し、多くの手柄を立てた。あるときヘルギが山にいた巨人ハティを殺したのち、船をハタフィヨルドにつけ、夜の前半の見張りにアトリが立った際、ハティの娘フリームゲルズが父の賠償を要求するためやってくる。アトリはフリームゲルズを朝日で石にするためわざと朝まで時間を稼ぎ、激しい口論を繰り広げた [1]
シグルズの歌 断片
グズルーンの歌Ⅰ
シグルズの短い歌
- ブズリの子でブリュンヒルドの兄。グンナルが妹のオッドルーンを妻に所望したが、承諾しなかった。それでも二人がこっそりと逢瀬を重ねていたため、グンナルを狭い蛇牢に入れた。シグルズ亡き後のグズルーンを娶るが、彼女に刺し殺され命を落とす[1]
ニヴルング族の殺戮
- エルプとエイティルの父。オッドルーンの兄。ブリュンヒルドの死はギューキ一族のせいであると知り、彼らとの間に不和が生じたため、グズルーンがアトリに嫁ぐことで折り合いがつくこととなった。そこでグンナルとヘグニを招待することにし、ヴィンギかクネーフレズを使者に立てた。そして二人がやってくると、ヘグニの心臓を切り取り、グンナルを蛇牢に入れて殺害した。そのころ、スィオーズレク王が部下のほとんどすべてを引き連れてアトリのところに滞在していた[1]
グズルーンの歌Ⅱ
- ブズリの子。ブリュンヒルドの兄。グリーミルドが、グズルーンにアトリとの婚姻を約束させようと様々な説得を行い、記憶を消すための薬を飲ませた。ところがグズルーンは、アトリはグンナルに禍いを持ち込み、ヘグニから心臓を切り取るだろうと言い、結婚を拒んだ。忘れ薬とグリーミルドの説得によりグズルーンはアトリのところに嫁ぐことになったが、ある日、アトリはノルニルたちから自身の身に迫る危険を告げる予言を受けた。それは、自分がグズルーンに剣で刺しとおされるという夢だった。その後侍女のヘルキャに、グズルーンがスィオーズレク王と一緒にいるのを見たと告げられ、憤激した[1]
グズルーンの歌Ⅲ
- ブズリの子。アトリのもとを、スィオーズレクが三十名の者を率いて訪れていた。ヘルキャから、グズルーンとスィオーズレクが寝たと聞かされるが、グズルーンがその潔白を証明し、アトリの疑いは晴れることとなった[1]
オッドルーンの歎き
- オッドルーンの兄。グンナルから、オッドルーンのために結婚の贈物を差し出されるが、受け取らなかった。その後オッドルーンを探らせるために暗い森の中に使いの者を送り、オッドルーンがグンナルといる現場を押さえた。しかしアトリは、そのことはグズルーンには伝えなかった。そしてヘグニの心臓を切り取り、グンナルを蛇牢に入れた。するとアトリの哀れな母(訳注:蛇に化身した)がグンナルの心臓を噛み、死亡させた。その後グズルーンによってアトリの子供たちは殺され、アトリ自身もグズルーンに殺害された[1]
グリーンランドのアトリの歌
- グラウムという馬をもつ。ウルの腕輪にかけてしばしば誓いをおこなった。グンナルのもとにクネーフレズという名の腹心を使者に送り、様々な財宝を献上するので自分のもとを訪れてもらうようにと伝えさせた。そして自国を訪れたグンナルとヘグニをとらえ、ヘグニの心臓を切り取ったが、グンナルは、ライン河に沈めたニヴルング族の遺宝のありかを教えようとしなかった。グンナルを蛇牢に入れて屋敷に帰ったアトリは、グズルーンから、彼女が屠った若い獣を食べるようにと料理を差し出されて口にした。しかしそれはアトリとグズルーンの間にできた幼い息子たちエルプとエイティルの血まみれの心臓であった。その後グズルーンは館に猛火を放ち、アトリやその家臣たちはすべて死亡した[1]
グリーンランドのアトリの詩
- ブズリの子。ベイティという家令を従える。シグルズが死んで未亡人となったグズルーンを娶った。グズルーンの母を捕らえて宝を手に入れるために殺し、グズルーンの姪を岩穴の中で餓死させた(訳注:詩人の創作で、他にはこれに当る事件はみられない)。義兄弟であるギューキの一族たちを自らの国に招待する為、使者と贈物を送った。ヘグニらが自国を訪れると軍を率いて戦ったが、弟はグズルーンに足を切り落とされ、四人の兄弟のうち二人がこの戦で死亡した。三十名中十九名の家臣を失うもニヴルングの一族との戦闘に勝利し、グズルーンを痛めつけ、ヘグニを捕らえて心臓を抉り出し、グンナルを絞首台にかけて蛇を入れるようにと指示した。グズルーンとの間には二人の息子がいたが、ヘグニとグンナルの葬儀における宴の場でグズルーンによって殺害され、アトリは知らずのうちに、子供たちの頭蓋骨で作った酒杯で子供たちの血が混じった酒を飲み、さらに子供たちの心臓の串焼きを完食した。そしてグズルーンと、ヘグニの子であるフニヴルングによって討たれた[1]
グズルーンの扇動
ハムジルの歌
詩語法
- ブズリの子。王。妹に、ヴァルキューレであるブリュンヒルドがいる。ブズルング一族の出身[2]
- ブリュンヒルドの指図によりシグルズが殺された後、その妻だったグズルーンをめとり、子をもうけた。シグルズの莫大な遺産はブリュンヒルドの夫グンナルとホグニが手に入れていたため、彼らと戦い二人を殺害したが、遺産はライン河に沈められたため手に入れることはできなかった[2]
- グンナルとホグニの葬儀の宴の際、グズルーンの手によって、グズルーンとの間の二人の息子の頭蓋骨で作った酒器に子供達の血を混ぜて飲ませられ、また子供達の心臓をあぶって食べさせられた。その後眠ったところで、グズルーンと、ホグニの子に襲われ殺害された[2]
- グラウムという馬に乗る[2]