バルドル

– 目次 –

原典版

登場する文献と役割

ケニング

参考文献

用語を元ネタに用いた作品の一例


※当記事には『新釈北欧神話』におけるネタバレが反転して記載されています


Baldr[1][3][13][22](バルドル[1][3][6][7][10][18]) 輝く者[3] [男][3]
 ― Bal[1] 明るい、光り輝く[1]

原典版

概要

  • 光の神[1][3]
  • 神々に愛されるオーディンの息子[3]
  • バルドルをキリストとみなす学者もいるが、地名にも名前が残っていることからも、実際にバルドル崇拝はあったと見られる[1]
  • オーディンフリッグの子[1]
  • あるとき命に関わる夢をみたため、母のフリッグがあらゆるものにバルドルを傷つけさせない誓いを立てたが、それが気にくわないロキは唯一誓いを立てていなかったヤドリギから矢を作り、盲目のヘズにそれを射させてバルドルを殺害させた[1]
  • フリッグヘルヘルモーズをつかわしてバルドルを連れ戻そうとするが、ヘルは万物がバルドルのために泣くなら戻すと約束する。しかし女巨人に化けたロキが涙しなかったため、バルドル復活は成功しなかった[1]
  • 世界の新生のおりに、ヘズと共にこの世に戻る[1]

巫女の予言

ロキの口論

  • フリッグの息子[1]
  • バルドルがこの先、館に馬でやってこられなくなる(管理人注:死ぬ)のは自分のせいである、とロキフリッグに話した[1]

バルドルの夢

ヒュンドラの歌

  • ブルの嫡子(管理人注:オーディン)を父にもつ[1]
  • バルドルが死の丘で倒れたとき、十一人のアース神が数えられた[1] (管理人注:主要なアース神は十二名数えられるため、バルドルの死により一名減ったということを表す)

スノリのエッダ 序文

ギュルヴィたぶらかし

  • オーディンの息子の名。彼自身から光が発するほど容貌が美しく輝き、アース神のうちで最も賢く、雄弁で優しい神。とても白い植物は、バルドルの容貌になぞらえてバルドルのまつ毛と称される。バルドルの下す裁きは不変ではないという。天にあるブレイザブリクに住む[1]
  • ナンナとの間にフォルセティをもうけた[1]
  • ある日自分の生命にかかわる穏やかでない夢を見たため、フリッグがその命をあらゆる危険から守るために、火、水、鉄、あらゆる金属、石、大地、樹、病気、獣、鳥、毒、蛇にバルドルに指一本触れないという誓いを立てさせ、試しにアース神たちがバルドルに切りつけたり、石を投げたりしたが、バルドルは傷一つ負わなかった。ところがそれを気に食わなく思ったロキが、宿り木には誓いを立てさせなかったことをフリッグから聞き出し、それをヘズに射させたため、バルドルは死亡した。これは神々および人間にふりかかった最も不幸な出来事といわれている。死体は海辺に運ばれ、フリングホルニというあらゆる船の中で最も大きいと言われるバルドルの船に載せられ、妻のナンナと共に荼毘に付された。バルドルの馬も馬具一式と共に焼かれた。バルドルは焼かれる前に、オーディンからドラウプニルという黄金の腕輪を贈られた。葬儀にはアース神だけでなく巨人族らも参加した。ヘルにてヘルモーズと再会し、オーディンへの記念の贈り物としてドラウプニルを託した[1]
  • ラグナレクののち、ヘズと共にヘルからイザヴェルに戻ってくる[1]

ユングリンガサガ

バルドルの名に関連するケニング

    ロキを表すケニング
    • ráðbani Baldrs[9] バルドルのはかりごとによる殺し手[2] (ráð[9] 思慮[2])(bani 殺害者、死 [男])[3] [9]-23.
    • Baldrs andskoti[3] バルドルの射殺者[3] (andskoti[9] 敵対者[2]
    フリッグを表すケニング
    • móður Baldrs[9] バルドルの母[2] (móðir 母 [女] 英語のmotherに相当)[3] [9]-27.
    ヴァーリを表すケニング
    ホドを表すケニング
    男を表すケニング
    • hringa Baldr[10] 腕輪のバルドル[10] (hringr 指輪、腕輪 [男] 英語のringに相当)[3]
    • 舳先の大地(海)の輝き(黄金)のバルドル[2]
    • 民のバルドル[2]
    • 剣のバルドル[7]
    火葬台を表すケニング

参考文献


用語を元ネタに用いた作品の一例