Gunnarr[9][13](グンナル[1][2][8][30][32])
― gunnr[3] 戦い[3]
原典版
概要
- 五世紀頃ライン湖畔ウォルムスにあったボルグンド王国の王グンディカーリウス(またはグンダハリ)がモデルになっている。435年にローマ軍に敗北を喫し、437年フン族との戦いで倒れたとされる[1]
- ノルウェーのオスロ―郊外ビグドイのヴァイキング船博物館にあるオーセベルグの橇に、一匹の蛇がグンナルとおぼしい人物の肛門から内部に入っている様子が描かれている[1]
グリーピルの予言
- ゴートの王。ギューキの嫡子。ブリュンヒルドのもとへ求婚に向かう際、途中でシグルズと姿を交換し、グンナルの姿になったシグルズがブリュンヒルドと婚約をする。シグルズとグズルーン、グンナルとブリュンヒルドの婚礼がギューキの広間で同時に祝われるが、その後、シグルズに恨みを抱いたブリュンヒルドに挑発され、グトホルム、へグニと共にシグルズを殺害する[1]
シグルドリーヴァの歌
- Hiálm-Gunnarr[13](兜のグンナル[1]、ヘルムグンナル[25]) 。老齢でありながらきわめてすぐれた勇士といわれる王の名。アグナルという王と戦う際にオーディンに勝利を約束されていたが、ヴァルキューレのシグルドリーヴァに倒されてしまった[1]
シグルズの歌 断片
グズルーンの歌Ⅰ
シグルズの短い歌
- ギューキの子。ブリュンヒルドの夫。ブリュンヒルドにシグルズとその息子を殺すようにとけしかけられたためヘグニに相談し、シグルズを欺いてその宝をとってもらえないかと頼んだが、断られた。そこで弟のグトホルムをそそのかし、シグルズを殺害させた。その後ブリュンヒルドから、自らの身に起こる未来を教えられた。それは、アトリの妹オッドルーンを妻に所望するが、アトリが許さないのでこっそりと逢瀬を楽しんでいたところ、アトリに狭い蛇牢に入れられる、という内容だった[1]
ブリュンヒルドの冥府への旅
- ブリュンヒルドがアウザの若い弟に加担し勝利を与えたため、老ヒャールムグンナル(Hiálm-Gunnar[13])は死ぬこととなった[1]
ニヴルング族の殺戮
- (前詩『ブリュンヒルドの冥府への旅』の後)ファーヴニルの遺産の黄金を残らず手に入れた。ところがその後彼らギューキ一族とアトリとの間に不和が生じたため、アトリにグズルーンを嫁がせることで折り合いをつけることになり、彼女がアトリとの結婚に同意する前に忘れ薬を飲ませた。アトリの妹のオッドルーンを求めたが叶わず、グラウムヴォルを妻にむかえることとなった。その後アトリ王のもとに招待され、蛇牢に入れられてしまい、竪琴をかき鳴らして蛇を眠らせたものの、一匹の蛇に肝臓を噛まれて死亡した[1]
グズルーンの歌Ⅱ
グズルーンの歌Ⅲ
オッドルーンの歎き
- ギューキの子。ブリュンヒルドに兜を取るように命じ、彼女に神の申し子(訳注:ヴァルキューレ)になれと言った。オッドルーンと愛し合い、アトリに結婚の贈物を送ったものの拒否されてしまう。その後暗い森の中で、アトリの使者に、オッドルーンと二人でいる現場を見られてしまう。そのことをアトリに漏らさぬよう使者に黄金の腕輪を与えたものの、告げ口されてしまった。そしてフレースエイにある蛇牢に入れられ、オッドルーンに助けを求めるために竪琴を弾いた。するとアトリの哀れな母(訳注:蛇に化身した)が這って出てきて、グンナルの心臓を噛み殺した[1]
グリーンランドのアトリの歌
- ブルグンドの一門。ゴートの王。ヘグニの兄。フィヨルニルという召使を抱える。キャールがかつて持っていた弓や鎧などを所有する。ギューキの城にいたところ、アトリが遣わしたクネーフレズという名の使者がやってきて、様々な財宝を献上するので自分のもとを訪れてほしい、と招待を受けた。ヘグニからはかの地に赴くことは危険であると警告されたものの、結局ヘグニと共にアトリの待つフン族の国に向かった。そこで妹に出会い、フン族の陰謀にかかっては勝ち目がないので、すぐに館を去るようにといわれたものの、時はすでに遅く、グンナルらはアトリに捕らえられてしまった。黄金で命をあがなうつもりはないかと聞かれたグンナルは、ヘグニの血まみれの心臓を持ってこさせ、ライン河に沈むニヴルングの宝のありかを知るのはもはや自分だけになったとアトリに言い放った。そして蛇牢に入れられ、死亡した。その後グズルーンがアトリを殺害し、兄たちの仇を討った[1]
グリーンランドのアトリの詩
- アトリの招待を受けて了承したところ、妻のグラウムヴォルが、災いを告げる夢を見たといってグンナルに警告を発した。アトリらとの戦いにおいてほかのニヴルングの一族と共に息のある限り戦ったものの、最終的には捕らえられ、絞首台にかけられ蛇を入れられた。そのときグンナルは竪琴をとって足指で竪琴を弾いたが、死亡した[1]
グズルーンの扇動
ハムジルの歌
ヒュンドラの歌
詩語法
- ギューキ王とグリームヒルドの間の息子。ニヴルング族の一人。鴉のように黒い髪色をしている。シグルズと兄弟の誓いを立てる[2]
- ブリュンヒルドを妻にもらい受けるため、シグルズ、ホグニと共に、ブリュンヒルドの兄であるアトリの元へ向かう。ブリュンヒルドは館の周りを囲む炎を馬でこえる勇気のある者しか夫にしないと誓いを立てていたが、グンナルの馬ゴティは炎の中に飛び込む勇気が無かったため、シグルズがグンナルの影武者として炎を飛び越えた。結果、ブリュンヒルドを故郷へ連れ帰ることに成功する[2]
- あるときシグルズの妻グズルーンがブリュンヒルドに影武者の件をばらしたことにより、ブリュンヒルドにシグルズ殺害をけしかけられるが、シグルズとの間に兄弟の誓いを立てていたためシグルズを手に掛けることは出来ず、弟のゴットホルムにシグルズを殺させた。そして、ホグニと共にシグルズの持っていたファーヴニルの遺産とアンドヴァリの腕輪を手に入れ、国を支配した[2]
- その後、未亡人となったグズルーンをめとったアトリ王がグンナルとホグニを自分の所へ招待したため、二人は前もってファーヴニルの遺産をライン河に沈めて赴いた。アトリ王との戦いに敗れ、グンナルは両手を縛られて蛇牢に投げ込まれた。そこでひそかに渡された竪琴を足指でよく奏でたため蛇は全て眠り込んだが、一匹のまむしだけ眠っておらず、グンナルの胸骨の軟骨を猛烈に噛んで身体に入り込み、グンナルが死ぬまで肝臓にぶら下がった[2]