ユミル(ユミール、イーミル)

– 目次 –

原典版

登場する文献と役割

別名

ケニング

参考文献

新釈北欧神話版


Ymir[3][13](ユミル[1][2][3][10]、ユミール[26]、イーミル[25]) 荒れ狂う者[1] [男][3]

原典版

概要

巫女の予言

ヴァフズルーズニルの歌

  • ユミルの肉から大地が、骨から岩が、頭蓋骨から天が、血から海がつくられた[1]
  • アウルゲルミルの腕の下で男の子と女の子ができた。また右足と左足が合わさって頭の六つある息子を生んだ[1]
  • スルーズゲルミルの父で、ベルゲルミルの祖父[1]

グリームニルの歌

  • ユミルの肉から大地が、血から海が、骨から岩が、髪から樹が、頭蓋骨から天が、睫毛からミズガルズが、脳から雲がつくられた[1]

ヒュンドラの歌

  • 全ての巨人はユミルから発している[1]

ギュルヴィたぶらかし

  • ニヴルヘイムからの霜と、ムスペルスヘイムからの熱風がぶつかってしたたり落ちた雫から生まれた巨人[1]
  • 霜の巨人からはアウルゲルミルと呼ばれる[1]
  • 寝ているときに汗をかき、左脇の下から男と女を生み、右足と左足が合わさって息子を生んだ。そこから全ての霜の巨人が由来している[1]
  • アウズフムラという牝牛の乳を食べて生きている[1]
  • オーディンら三兄弟により殺された折に流れ出たおびただしい血により、霜の巨人を全滅させた[1]
  • オーディンら三兄弟の手により、体からは大地が、血から海と湖が、骨から岩が、歯と顎と砕けた骨から石や小石が、頭蓋骨から天が、睫毛から砦(ミズガルズ)が、脳から雲が作られた[1]
  • ユミルの肉にたかる蛆虫が、神々の呪文によって人間の知恵と人間の姿をそなえ、小人になった[1]
  • Aurgelmir[1][13](アウルゲルミル)[1] 山地で吼えるもの[1]
     ― aurr 砂[3]
     ― garmr 吼えるもの [男][3]
  • Brimir(ブリミル)[1] 騒ぐもの[1] 巫女の予言後半に出てくる、オーコールニルに館を持つ巨人ブリミルとは別人[4]
  • Bláinn(ブラーイン)[1] 色黒の者[1] 巫女の予言にて、ブラーインの骨とブリミルの血から小人の王が作られた、という記述がある。ブラーインという名の小人も存在するが、小人の骨から小人の王が作られるということは考えにくいため、ブリミルとともに、ブラーインはユミルの別名と考えられる[1]

ユミルの名に関連するケニング

    大地を表すケニング
    • Ymis hold[9] ユミルの肉[2]
       ― ユミルの身体から世界が作られたことに由来
    海を表すケニング
    • Ymis blóð[9][10] ユミルの血[2][10] (blóð 血)[3]
       ― ユミルの身体から世界が作られたことに由来
    天を表すケニング
    • ユミルの古き頭蓋[2] [9]-31.
    • Ymis haus[9] ユミルの頭蓋骨[2] (hauss[9] 頭蓋[2]
       ― ユミルの身体から世界が作られたことに由来

参考文献


新釈北欧神話版

序章

全ての巨人族の始祖となった巨人
世界の始まりから生き続けていたが、魔素マナの過量摂取が原因で破裂死してしまう。その際身体から流れ出た血の洪水により、新世界が誕生した。

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