金属を表すケニング

 ―(gull 金、黄金 [中] 英語のgoldに相当)[3]

さまざまなものの火によるいいかえ[2]

  • arms hyrr[10] 腕の火[2][10] (arm[9] 腕[2])(Hyrr[9] 火の同義語[2]
  • brims eldr[10] 浪の火[10] (eldr[13] 火[1]
  • eldr áls hrynbrautar[9] うなぎのざわめく火[2]
  • eldr handar[9]、handbál[10] 手の火[2][10]
  • eldr leggjar[9] 脚の火[2] (leggr[9] ひかがみ(膝裏のくぼみ)[2]
  • eldr liðs[9] 関節の火[2] (liðr[9] 関節[2]
  • eldr vatna[9] 川の火[2] (vatn 水 [中] 英語のwaterに相当)[3]
  • fjarðeldr[10] 入江の火[10] (fjǫrðr 峡湾 [男])[3]
  • flóðs eldr[10] 潮の火[10] (flóð[9] 海[2]
  • haukstrandar hyrr[10] 鷹の岸(=手)の火[10]
  • sævar bál[10] 海の焔[10] (sævar 海(sær)の属格形)[3](Bál[3][9]=火葬の薪[2]、火葬台[3]、焔の同義語[2] [中][3]
  • オールン(妖精)の火[2]

巨人シアチが父の遺産を口を秤として兄弟のイジ、ガングと分け合ったことに由来するいいかえ[2]

  • rödd ok orð jötna[9] 巨人の声またはことば[2] (rödd[9] 声、音声[2])(orð ことば [中] 英語のwardに相当)[3](jǫtna jǫtunn(巨人)の)[3]
  • イジの輝かしきことば[2]
  • シアチの民会のことば[2]
  • munntal jötna[9] 巨人の口かぞえ[2] (munnr 口 [男] 英語のmouthに相当)[3](tal 数)[3]

エーギルの開催した宴会の席にて、輝く黄金が明かりの代わりに使われたことに由来するいいかえ[2]

シグルドが、グニタヘイズにて竜の姿をして黄金を守っていたファーヴニルを殺害し、グラニという馬で黄金を運んだことに由来するいいかえ[2][10]

シグルドの死後、ニヴルング族であるグンナルやホグニが莫大な黄金を相続したことに由来するいいかえ[2][10]

  • Niflunga skattr[9][10] ニヴルングの宝[2][10]
  • Niflunga arfr[9] ニヴルングの遺産[2] (arfr 遺産 [男])[3]
  • ニヴルング族のいさかい[2]
  • Niflunga róg[10] ニブルング族の争い[10]

ニヴルング族の遺産がライン河に沈められ隠されたことに由来するいいかえ[2][10]

アースガルドのヴァルホルの門の前にあるグラシルという森の葉が全て赤い黄金で出来ていることに由来するいいかえ[2]

  • lauf Glasis[9] グラーシル(グラシル)の葉[2] (lauf 葉 [中] 英語のleafに相当)[3]
  • barr Glasis[9] グラシルの針[2]

フロージ王が怪力の側女フェニヤとメニヤに石臼で黄金の粉をひくように命じたことに由来するいいかえ[2][10]

フロールヴ・クラキ王が、アジルス王とその追っ手を足止めする際に黄金や腕輪をフューリルの野にばらまいたことに由来するいいかえ[2][10]

ホルギ王の墓塚が、供えられた金銀の層でできていたことに由来するいいかえ[2]

  • haugþak Hölga[9] ホルギの丘の屋根[2] (haugr 丘、塚 [男])[3]
  • ホルギの腕輪よりなる墓塚の屋根[2]

そのほかのさまざまないいかえ

  • armsól[10] 腕の日[10] (arm[9] 腕[2])(Sól 太陽[3]
  • blik handar[9] 手の輝き[2] (blíkja 輝く)[3]
  • grjót handar[9] 手の石[2]
  • höfuðband Fullu[9] フッラの髪飾り[2] (hǫfuð 頭、首 [中] 英語のheadに相当)[3] (band 拘束、枷 [中])[3]
  • lagar máni[10] 海の月[10] (lagar lǫgr(水、海)の属格形)[3](máni[9] [1]
  • ósa rǫf[10] 河口の琥珀[10]
  • sævar sól[10] 海の日[2][10] (sævar 海(sær)の属格形)[3]
  • sker handar[9] 手の岩礁[2]
  • 海の琥珀[2]
  • 輝く麦[2]
  • 手の溶岩[2]
  • 赤き富[2] 黄金の輝きは”赤い”と表現された[2]
  • 川の光[1]
  • 川の太陽[2]
  • 流れの月[2]
  • 財布の雪[2]
  • るつぼの白い雪[2]
  • snær skálanna[9] 杯の雪[2] (snær 雪 [男] 英語のsnowに相当)[3]
  • snær handar[9] 手の雪[2]
  • svell handar[9] 手の氷[2]
  • héla handar[9] 手の霜[2]

財布、るつぼ、海の泡などでいいかえる[2]

  • grjót handar[9] 手の石[2]
  • 輝くるつぼの荷[2]
  • やっとこの海藻[2]
  • [1] 谷口幸男(1973)『エッダ―古代北欧歌謡集』新潮社
  • [2] 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部
  • [3] 下宮忠雄・金子貞雄(2006)『古アイスランド語入門―序説・文法・テキスト・訳注・語彙』大学書林
  • [9] Guðni Jónsson (ed.), Eddukvaeði,Íslendingasagnaútgáfan (1954) (http://www.heimskringla.no/wiki/Skáldskaparmál)2018年3月30日アクセス.
  • [10] 谷口幸男(1983)「スカルド詩人とケニング」『レトリックと文体―東西の修辞法をたずねて』(古田敬一編)p.183~209,丸善
  • [13] Gustav Neckel(1983)『Edda. Die Lieder des Codex regius nebst verwandten Denkmaelern 01. Text』Universitaetsverlag Winter; 5., verbesserte Auflage.

公開日:2018/02/16

最終更新日:2020/01/20

カテゴリー: ケニング