Frigg[1][3][9][12][13][22](フリッグ[1][2][3][6][18][26][27]、フリッガ[25]) 愛[1] [女][3][27]
原典版
概要
- 女神の中で最高位を占める、愛と結婚の神[1]
- 大地と結婚と愛の女神。ギリシア神話のAphrodītē、ローマ神話のVenusにあたる[3]
- 愛の女神。南ゲルマンと北ゲルマン両方に同名でみられる唯一のゲルマンの女神。ヴォーダン(オーディン)の妻。バルドルの母。『エッダ』によれば人間や神々の運命を予見でき、結婚やお産の時フレイアと並んでその助けが求められる[27]
- オーディンの妻[1][3][18]
巫女の予言
ヴァフズルーズニルの歌
グリームニルの歌
- アグナルとゲイルロズが二人で釣りに行った際に船が難破し、小作人の男に拾われ、その妻の養子になった。実はこの小作人の男の妻の正体はフリッグだった[1]
- その後、兄弟のどちらが優れているかをオーディンと言い合った[1]
- 召使いにフッラがいる[1]
ロキの口論
- エーギルが開催した酒宴に参加する[1]
- フィヨルギュンの娘[1]
- 先の運命が分かる[1]
- オーディンの妻[1]
- ロキに、ヴェーイとヴィリを抱いたことがある、と侮辱された[1]
- バルドルという息子がいる[1]
オッドルーンの歎き
スノリのエッダ 序文
ギュルヴィたぶらかし
- フィヨルギュンの娘[1]
- 自ら予言はしないが、人間の運命をすべて知っている[1]
- オーディンの妻。オーディンとフリッグからアース神族が由来している[1]
- アース女神の中で一番偉い女神の名。フェンサリルという住居をもっている。同じアース女神であるフッラはフリッグの長持ちを下げ、靴の世話をし、その秘密にあずかっている。同じくアース女神であるグナーはフリッグによってさまざまな世界へ使者にやられる[1]
- ある日バルドルが自分の生命にかかわるおだやかでない夢を見たため、火、水、鉄、あらゆる金属、石、大地、樹、病気、獣、鳥、毒、蛇にバルドルに指一本触れないという誓いを立てさせた。ところがそれを気に食わなく思ったロキに、宿り木には誓いを立てさせなかったことを聞き出され、ロキがそれをヘズに射させたため、バルドルは死亡した。フリッグはオーディンの子ヘルモーズに、冥府への旅路につき、バルドルを見つけ出してアースガルズに返してもらえるようにヘルに身代金を差し出すことを依頼した。その後バルドルの火葬に参加した。ヘルにてヘルモーズがバルドルとナンナと再会した際、ナンナから布やその他の贈り物を贈られた[1]
詩語法
ユングリンガサガ
- 鷹の衣[2]
- kona Óðins[9] オーディンの妻[2] (kona 女 [女] 英語queenに相当)[3] [9]-27.
- Viðris qvæn[13] ヴィズリル(オーディンの別名)の妻[1]
- dróttning ása[9] アースの女王[2] (dróttning 女王、王妃 [女])[3](Áss エーシル神族の神 [男])[3] [9]-27.
- dróttning ásynja[9] アースの女神の女王[2] (Ásynja 女神 [女])[3] [9]-27.
- dróttning Fullu[9] フッラの女主人[2] [9]-27.
- dróttning valshams[9] 鷹の羽衣の女主人[2] [9]-27.
- dróttning Fensala[9] フェンサリルの女主人[2] [9]-27.
- móður Baldrs[9] バルドルの母[2] (móðir 母 [女] 英語motherに相当)[3] [9]-27.
- sværa Nönnu[9] ナンナの義母[2] (sværa[9] 亭主の母[2]) [9]-27.
- elju Jarðar[12] ヨルズのライバル[2] (eljur[9] 一人の男を共有にしている女[2]) [9]-27.
- elju Rindar[12] リンドのライバル[2] [9]-27.
- elju Gunnlaðar[12] グンロズのライバル[2] [9]-27.
- elju Gríðar[12] グリーズのライバル [9]-27.
- dóttur Fjörgyns[9] フィヨルギュンの娘[2] (dóttir[9] 娘[2]) [9]-27.
フリッグの名に関連するケニング
- frú(フルー[26]) りっぱな婦人を表す言葉。フレイヤからきた言葉、あるいはフリッグの古名フリーアからきた言葉とされる[26]
- 英語Friday[25] フリッガの日[25]、フレイヤの日[26]
- 独語Frei-tag[27](フライ・ターク[27]) 金曜日[27] [男][27] 愛の女神フリッグに捧げられた日。この日は異教の信仰にキリスト教の聖金曜日の信仰が混ざり合って複雑な様相を呈する。北ドイツでは一般に吉日とされ結婚式が多い。中部及び南ドイツの特にカトリックの地域では厄日である[27]
- 独語フラウ[26] りっぱな婦人を表す言葉。フレイヤからきた言葉、あるいはフリッグの古名フリーアからきた言葉とされる[26]
- priyá-[3] インド・ゲルマン諸語で、『愛された』の意味[3]
- 独語Thymian[27](テューミアーン[27]) たちじゃこうそう。フリッグに捧げられていた植物で、十六世紀にはすでに内服薬や外用薬として使われていた[27]
参考文献
新釈北欧神話版
第一章
ニヨルドの妹であり妻。
予言能力を持つ巫女であり、一度予言した未来は決して変えられないという思想をもっている。