Sól[3][9][12][13](ソール[1][25]、ソル[26]) 太陽[3][26]
原典版
ヴァフズルーズニルの歌
- ムンディルフェーリの子の名[1]
- 月(マーニ)と共に、人間たちの時刻計算のため毎日天を巡る[1]
- いずれフェンリルにつかまえられ(食べられ)るが、彼女の死後は一人の娘が天の軌道をめぐることになる[1]
グリームニルの歌
- スヴェルという楯が太陽の前に遮り立つ。これが落ちれば山も波も燃えてしまうとされる[1]
- アールヴァクとアルスヴィズという馬が太陽をひく[1]
- ハティとスケルという狼が、森を守るために太陽を追いかける[1]
シグルドリーヴァの歌
ギュルヴィたぶらかし
- ムンディルフェーリの娘の名。金髪で大変美しかったため太陽(ソール)と名付けられたが、その思い上がりが神々の反感を買い、兄のマーニと共に捕らえられ、太陽を曳く馬、アールヴァクとアルスヴィズの馭者にされた。その後グレンルという男の元に嫁いだ[1]
- 太陽は、神々が世界を照らすためにムスペルスヘイムから飛んできた火花から作ったものと言われる[1]
=このことから、もともと神々が作った「太陽(Sól)」という概念があり、それと同じ名前を名乗ったため神々の怒りを買った、と解釈できる。また、月とは違い、一般名称としての「太陽」と人物としての「ソール」はどちらも「Sól」で表記されるため、太陽そのものを指しているか、人物としてのソールを指しているかは、文脈から判断する必要がある - スコルという狼が太陽を追いかけ、ハティという狼が太陽の前をかけているため、太陽はおびえるように猛烈に急ぐが、それ以上は早く進めないでいる[1]
- アース女神の名[1](上記の太陽の擬人化ソールと同一人物かは不明)
- ある日、一人の鍛冶屋がアース神のもとにやってきて、立派な砦を造る代わりにフレイヤと太陽と月を報酬に欲しいと申し出た。一度は取り決めが固められたものの、鍛冶屋の正体が山の巨人であること悟った神々が誓いを破ったため、太陽が報酬に支払われることはなかった[1]
※太陽の擬人化であるソールではなく一般的な太陽そのものを報酬に要求したものと考えられる - ラグナレクのおり、狼が太陽を飲み込む[1]
- フェンリルに捕らえられる前に、美しさの劣らぬ娘を一人産んでおり、その娘はラグナレクのあと、母親の軌道をめぐるという[1]
詩語法
- röðull[6][9] ロズル[2] 太陽、日輪[6] [9]-69.
- álfröðull[9]、Álfrǫðull[13] アールヴレズル[1]、妖精のロズル[2] (álfr 妖精 [男] 英語elfに相当)[3] [9]-69.
- ifröðull[9] イフロズル[2] [9]-69.
- sýni[9] 光景[2] (sýna ~に見える)[3] [9]-69.
- líknskin[9] 恵みの光[2] (skin 輝き、日光 [中] 英語shineに相当)[3] [9]-69.
- mylin[9] ミュリン[2] アース神たちの間での月の呼び方もまたmulinn[9]、あるいはmylinn[13] [9]-69.
アルヴィースの歌
- Sól[9][13] ソール[1] :人間たちの間での呼び方[1]
- sunna[9][13] スンナ[1][2] 南の輝き[1] :アース神の間での呼び方[1] (sunnan 南から [副])[3] [9]-69.
- eyglóa[9]、eygló[13] エイグロー[1] 常熱[2] 永遠に輝くもの[1] :巨人たちの間での呼び方[1] (ey つねに [副])[3](glóa 輝く)[3] [9]-69.
- Dvalins leika[9]、Dvalins leica[13] ドヴァリンスレイカ[1] 小人の友[2] 小人をしいたげるもの[1] :小人たちの間での呼び方[1] (illa leikinn いじめられて)[3] [9]-69.
- fagrahvél[9][13] ファグラヴェール[1] 美輪[2] 輝く輪[1] :妖精たちの間での呼び方[1] (fagr 美しい [形] 古英fairに相当)[3] [9]-69.
- alskír[9]、alscír[13] アルスキール[1] 全光[2] 全く明るいもの[1] :アース神の子らの呼び方[1] (allr すべての [代])[3](skína 輝く)[3] [9]-69.
ソールを表すケニング
- dóttur Mundilfara[9] ムンディルフェーリの娘[2] (dóttir[9] 娘[2]) [9]-34.
- systur Mána[9] マーニの姉妹[2] (systur systir(姉妹)の属格・与格・対格形)[3] [9]-34.
- kona Glens[9] グレンの妻[2] (kona 女 [女] 英語queenに相当)[3] [9]-34.
- グレンの神のごとくやさしき妻[2] [9]-34.(96)
太陽そのものを表すケニング
- eldr himins[9] 天の火[2] (eldr[13] 火[1])(himinn 天 [男] 英語Heaven、独語Himmelに相当)[3] [9]-34.
- 天高くゆらめく焰[2] [9]-34.(97)
- 輝く神[1]
太陽(ソール)に関連するケニング
黄金を表すケニング
- Rínar sól[10] ラインの日[2][10] (Rín[1][13] ライン河[1])
- sævar sól[10] 海の日[2][10] (sævar 海(sær)の属格形)[3]
- armsól[10] 腕の日[10] (arm[9] 腕[2])
船を表すケニング
天を表すケニング
- land sólar[9] 太陽の国[2] (land 土地、陸地 [中])[3]
- hús sólar[9] 太陽の家[2] (hús 家 [中] 英語houseに相当)[3]
- hjálmr sólar[9] 太陽の兜[2]
- sólar siǫt[10] 太陽の座[10] (sjǫt 席、座席 英語seatに相当)[3]
火を表すケニング
キリストを表すケニング
- eldr himins[9] 天の火[2] (eldr[13] 火[1])(himinn 天 [男] 英語Heaven、独語Himmelに相当)[3] [9]-34.
- 天高くゆらめく焰[2] [9]-34.(97)
- 輝く神[1]
太陽(ソール)に関連するケニング
- Rínar sól[10] ラインの日[2][10] (Rín[1][13] ライン河[1])
- sævar sól[10] 海の日[2][10] (sævar 海(sær)の属格形)[3]
- armsól[10] 腕の日[10] (arm[9] 腕[2])
- land sólar[9] 太陽の国[2] (land 土地、陸地 [中])[3]
- hús sólar[9] 太陽の家[2] (hús 家 [中] 英語houseに相当)[3]
- hjálmr sólar[9] 太陽の兜[2]
- sólar siǫt[10] 太陽の座[10] (sjǫt 席、座席 英語seatに相当)[3]