ソール

– 目次 –

原典版

登場する文献と役割

別名

ケニング

語源・関連語

参考文献


Sól[3][9][12][13](ソール[1]) 太陽[3]

原典版

ヴァフズルーズニルの歌

グリームニルの歌

シグルドリーヴァの歌

  • 太陽の前に立つ楯の上にルーネが彫られる[1]

ギュルヴィたぶらかし

  • ムンディルフェーリの娘の名。金髪で大変美しかったため太陽(ソール)と名付けられたが、その思い上がりが神々の反感を買い、兄のマーニと共に捕らえられ、太陽を曳く馬、アールヴァクアルスヴィズ馭者ぎょしゃにされた。その後グレンルという男の元に嫁いだ[1]
  • 太陽は、神々が世界を照らすためにムスペルスヘイムから飛んできた火花から作ったものと言われる[1]
     =このことから、もともと神々が作った「太陽(Sól)」という概念があり、それと同じ名前を名乗ったため神々の怒りを買った、と解釈できる。また、月とは違い、一般名称としての「太陽」と人物としての「ソール」はどちらも「Sól」で表記されるため、太陽そのものを指しているか、人物としてのソールを指しているかは、文脈から判断する必要がある
  • スコルという狼が太陽を追いかけ、ハティという狼が太陽の前をかけているため、太陽はおびえるように猛烈に急ぐが、それ以上は早く進めないでいる[1]
  • アース女神の名[1](上記の太陽の擬人化ソールと同一人物かは不明)
  • ある日、一人の鍛冶屋がアース神のもとにやってきて、立派な砦を造る代わりにフレイヤと太陽とを報酬に欲しいと申し出た。一度は取り決めが固められたものの、鍛冶屋の正体が山の巨人であること悟った神々が誓いを破ったため、太陽が報酬に支払われることはなかった[1]
    ※太陽の擬人化であるソールではなく一般的な太陽そのものを報酬に要求したものと考えられる
  • ラグナレクのおり、狼が太陽を飲み込む[1]
  • フェンリルに捕らえられる前に、美しさの劣らぬ娘を一人産んでおり、その娘はラグナレクのあと、母親の軌道をめぐるという[1]

詩語法

  • röðull[6][9] ロズル[2] 太陽、日輪[6] [9]-69.
  • álfröðull[9]、Álfrǫðull[13] アールヴレズル[1]妖精のロズル[2] (álfr 妖精 [男] 英語のelfに相当)[3] [9]-69.
  • ifröðull[9] イフロズル[2] [9]-69.
  • sýni[9] 光景[2] (sýna ~に見える)[3] [9]-69.
  • líknskin[9] 恵みの光[2] (skin 輝き、日光 [中] 英語のshineに相当)[3] [9]-69.
  • mylin[9] ミュリン[2] アース神たちの間でのの呼び方もまたmulinn[9]、あるいはmylinn[13] [9]-69.

アルヴィースの歌

ソールを表すケニング

太陽そのものを表すケニング

  • eldr himins[9] 天の火[2] (eldr[13] 火[1])(himinn 天 [男] 英語のHeaven、ドイツ語のHimmelに相当)[3] [9]-34.
  • 天高くゆらめく焰[2] [9]-34.(97)
  • 輝く神[1]

太陽(ソール)に関連するケニング

    黄金を表すケニング
    船を表すケニング
    • sólborðs hestr[9] 太陽の板の馬[2]
    天を表すケニング
    • land sólar[9] 太陽の国[2] (land 土地、陸地 [中])[3]
    • hús sólar[9] 太陽の家[2] (hús 家 [中] 英語のhouseに相当)[3]
    • hjálmr sólar[9] 太陽の兜[2]
    • sólar siǫt[10] 太陽の座[10] (sjǫt 席、座席 英語のseatに相当)[3]
    火を表すケニング
    • sól húsanna[9] 家々の太陽[2] (hús 家 [中] 英語のhouseに相当)[3]
    キリストを表すケニング
    • skapara sólar[9] 太陽の創造者[2] (skapa 創造する)[3]
    • konung sólar[9] 太陽の王[2] (konungr 王 [男] 英語のkingに相当)[3]
  • sólskin[3] 日光[3] [中][3] (skin 英語のshineに相当)[3]

参考文献