ミドガルド(ミッドガルド、ミズガルズ) – 目次 – 原典版 登場する文献と役割 ケニング 語源・関連語 参考文献 miðgarðr[1](ミズガルズ[1][2][10]、ミッドガルド[3][15][25][26]) 真ん中にある地帯[1]、中園[3]、中の国[26]、真中の国[26] [男][3] ― miðr[3] まんなかの[3] [形][3] ― garðr[3] 囲い地、中庭、家、城、町[3] [男][3] 英語gardenに相当[3] 原典版 概要 人間の世界[3] 人間の住む世界。世界の中心にあるとされる[1] 神々によってユミルのまつげから作られた、人間界を巨人族から守る塁壁のこと[1] 登場する文献と役割 巫女の予言 ブルの息子達の手により大地が持ち上げられて作られた[1] グリームニルの歌 ユミルの肉から大地が、血から海が、骨から岩が、髪から樹が、頭蓋骨から天が、睫毛からミズガルズが、脳から雲がつくられた[1] ハールバルズの歌 人間の住む地として名前がみられる[1] ヒュンドラの歌 フレイヤがヒュンドラに勇士らの出自を問う場面にてたびたび名前がみられる[1] ギュルヴィたぶらかし ユミルのまつげから作られた砦の名。大地は円形で、外側は深い海が取り巻いており、海岸に巨人族の住む土地があるが、そのさらに内側にこの砦が存在している[1] 神々の定住の初めの頃におかれた場所[1] あるとき鍛冶屋に化けた山の巨人が神々のもとにやってきて、山の巨人や霜の巨人がミズガルズに攻め入っても安全で信頼のできる立派な砦を造る代わりにフレイヤと太陽と月が欲しいと申し出た。結果砦は作られたものの、神々が誓いを破ったことにより鍛冶屋はミョルニルで頭を粉砕され、二ヴルヘルの下に投げ込まれることになった[1] ケニング ミドガルドに関連するケニング トールを表すケニング verjandi Miðgarðs[9] ミズガルズの守護者[2] (verja[12] 守る[6]) ミズガルズの尊い守護者[1] 黄金を表すケニング ファーヴニルのミズガルズ[2] ヨルムンガンドを表すケニング ミズガルズの大蛇[2] ミッドガルド蛇[3] 語源・関連語 ミズガルズは全ゲルマンに共通した概念である[1]。 ゴート語[1] miþgarþr[1] 古サクソン語[1] mittelgard[1] 古英語[1] middangeard[1] 古高ドイツ語[1] mittilgard[1] 参考文献 [1] 谷口幸男(1973)『エッダ―古代北欧歌謡集』新潮社 [2] 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部 [3] 下宮忠雄・金子貞雄(2006)『古アイスランド語入門―序説・文法・テキスト・訳注・語彙』大学書林 [6] 谷口幸男(2002)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(1)」『大阪学院大学国際学論集』(13(1) (通号 25))p.203~230,大阪学院大学国際学学会 [9] Guðni Jónsson (ed.), Eddukvaeði,Íslendingasagnaútgáfan (1954) (http://www.heimskringla.no/wiki/Skáldskaparmál)2018年3月30日アクセス. [12] Snorri Sturluson , Finnur Jónsson (2012)『Edda Snorra Sturlusonar』Ulan Press [15] 山室静(2017)『北欧の神話』筑摩書房 [25] P. コラム(2016)『北欧神話〔電子書籍版〕』(尾崎義訳)岩波書店 [26] 山室静(2013)『ギリシャ神話<付 北欧神話>』インタープレイ