トール(ソール)

Þórr[3][9][13] [男][3]

原典版

概要

  • 雷神。オーディンの息子で、後にオーディン以上に民衆に崇拝された[3]
  • はじめ、スカンジナヴィアの農民の間でトールが主に崇拝されていた。その後ライン河畔から発したオーディン崇拝が戦士や貴族階級を中心に北に広がり、やがてトールはオーディンの子となった[1]
  • 多くの神殿に単独でまつられ、また地名や人名にトールの名が由来のÞór-から始まる名が多く残されていることから、民衆の間で最も愛された神であると言える[1]Þor、Þórから始まる人名・地名一覧

グリームニルの歌

  • ユグドラシルのところへ判決を下しに行くとき、ケルムト、エルムト、ケルラウグという川を徒渉する[1]

アルヴィースの歌

  • 美しい娘がいる[1]

詩語法

  • ヴィーズギュムニル(=jötunn Vimrar vaðs[9] ヴィムルの浅瀬を渡る巨人[2] (jǫtunn 巨人 [男])[3](vaða 歩く、浅瀬を渡る)[3]
     - 巨人ゲイルロズの館へ行く際、ヴィムルという川を渡ったことに由来[2]
  • Vingþórr[13] ヴィングトール[1]
  • オーディンの子[2]
  • son Óðins ok Jarðar[9] オーディンヨルズの子[2] (sonr 息子)[3]
  • mögr Hlóðynjar[3] フロージュンの息子 (mǫgr 息子 [男])[3]
  • Fjörgynjar burr[3] フィヨルギュンの息子 (burr 息子 [男])[3]
  • fóstri Vingnis ok Hlóru[9] ヴィングニルとフローラの義子[2]
  • メイリの兄弟[2]
  • ヴィーダルの身内[1]
  • faðir Magna ok Móða ok Þrúðar[9] マグニとモーズとスルーズの父[2] (faðir 父)[3]
  • マグニの父[2]
  • スルーズの父[2]
  • ウルの父[2]
  • stjúpfaðir Ullar[9] ウルの舅[2]
  • verr Sifjar[9] シヴの夫[2] (verr 夫、男 [男])[3]
  • シヴの親しき友[2]
  • 巨人の試し手[2]
  • dólgr ok bani jötna ok trollkvinna[9] 巨人と女巨人の敵で殺し手[2] (dólgr[9] 仇[2])(bani 殺害者、死 [男])[3](jǫtna 巨人の)[3](troll トロル。ノルウェーの民話に現れる怪物:ユミルの死体から出たうじ) [中])[3](kvinna kona(女)の属格複数形)[3]
  • 巨人の敵[2]
  • 巨人の怪力の殺し手[2]
  • 巨人を窮地に陥れる者[2]
  • 巨人フルングニルの脳天割り[2]
  • 巨人スリーヴァルディの九つの首を割りし者[2]
  • vegandi Hrungnis, Geirröðar, Þrívalda[9] フルングニル、ゲイルロズ、スリーヴァルディの殺害者[2] (vega 戦う、撃ち殺す)[3]
  • dólgr Miðgarðsorms[9] ミズガルズの大蛇の敵[2]
  • verjandi Ásgarðs, Miðgarðs[9] アースガルズミズガルズの守護者[2]
  • ミズガルズの尊い守護者[1]
  • stýrandi ok eigandi Mjöllnis ok megingjarða, Bilskirrnis[9] ミョルニルと力帯とビルスキルニルの支配者で所有者[2] (eiga 所有 [女])[3](eignask 所有する)[3](megin 力 [中])[3]
  • ビルスキールニルの候[2]
  • dróttinn Þjálfa ok Rösku[9] シャールヴィとロスクヴァの主人[2] (dróttinn 主人、領主 [男])[3]
  • 山羊の主[2]
  • 車の主人[1]

トールの名に関連するケニング

    ヨルドを表すケニング

    • móður Þórs[9] トールの母[2] (móðir 母 [女] 英語のmotherに相当)[3]

    ナナカマドを表すケニング

    • トールの救い[2]
       ― ヴィルムという大きな川を渡る際に、トールがナナカマドをつかんで川から上がったことに由来[2]
  • Þórs トールの
  • トールの名は英語のthunderに関係する[3]
  • ラテン語dies Jovis(ユピテルの日)がゲルマンの世界ではThursday(トールの日)と訳された[3]

トールの名が由来のÞór-から始まる人名・地名

  • Þorvaldr[3] トルヴァルド[3] :Erik the Redの父。殺害事件に加わり、祖国ノルウェーから追放され、アイスランドに住む[3]
  • Þórsnes ソールスネス[1] ノルウェーの岬の名。フンディング殺しのヘルギの歌Ⅰにその地名が見られる[1]
  • [1] 谷口幸男(1973)『エッダ―古代北欧歌謡集』新潮社
  • [2] 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部
  • [3] 下宮忠雄・金子貞雄(2006)『古アイスランド語入門―序説・文法・テキスト・訳注・語彙』大学書林
  • [9] Guðni Jónsson (ed.), Eddukvaeði,Íslendingasagnaútgáfan (1954) (http://www.heimskringla.no/wiki/Skáldskaparmál)2018年3月30日アクセス.
  • [13] Gustav Neckel(1983)『Edda. Die Lieder des Codex regius nebst verwandten Denkmaelern 01. Text』Universitaetsverlag Winter; 5., verbesserte Auflage.

コミック版

オーディンの第三子。大地の女神ヨルドとの間の子。
赤ん坊ながら、強い力を持つようだ。

公開日:2018/02/27

最終更新日:2020/01/23

カテゴリー: 人名