Þórr[3][9][12][13](トール[2][3][6][10]) [男][3]
※日本語文献ではよく「トール[3][10]」と表記されることが多いが、原文表記は「Þórr[3][9][12][13]」であるため、「ソール」と表記する方が本来の古ノルド語の発音に近い
原典版
概要
- 雷神。オーディンの息子で、後にオーディン以上に民衆に崇拝された[3]
- 力の神として巨人から神々を守る[1]
- はじめ、スカンジナヴィアの農民の間でトールが主に崇拝されていた。その後ライン河畔から発したオーディン崇拝が戦士や貴族階級を中心に北に広がり、やがてトールはオーディンの子となった[1](トールのほうがより古い、格の高い神らしい証拠も多くある[15])
- 多くの神殿に単独でまつられ、また地名や人名にトールの名が由来のÞór-から始まる名が多く残されていることから、民衆の間で最も愛された神であると言える[1](Þor、Þórから始まる人名・地名一覧)
グリームニルの歌
ハールバルズの歌
- 東の国(管理人注:ヨトゥンヘイム)からの帰途にさしかかった瀬戸で、ハールバルズという渡し守に化けたオーディンと言い合いをする[1]
- 三つのよい屋敷を持っている[1]
― (訳注:この節の前の部分が欠落しており、その三つの屋敷がどこなのかは不明)[1] - 戦いで死んだ奴僕の輩はトールのものになる[1]
- 東の河を守っていたさい、スヴァーラングという巨人の息子たちと戦った[1]
- フレーセイでは、女のベルセルクを殺した[1]
ロキの口論
アルヴィースの歌
- 美しい娘がいる[1]
ヒュンドラの歌
スノリのエッダ 序文
- トロール(Trór[12])とも呼ばれる[6]
- トロヤの王ムーノーン(Múnón[12])(メノーン(Mennón[12])とも)と大王プリーアムの娘プローアンの間に生まれた息子。大変容貌が美しく、怪力無双であった[6]
- ローリークース(Lóríkus[12])という名の公によりトラキーア(Trákíá[12])で育てられたが、ローリークースとその妻ローラ(Lórá[12])(グローラー(Glórá[12])とも)を殺し、トラキーアを我が物とした[6]
- シヴと呼ばれる女予言者を妻にし、以下の一族をもうけた[6]
- Lóriði[12] ローリジ[6] トールとシヴの間の息子。トールに似ていた[6]
- Einridi[12] エインリジ[6] ローリジの子[6]
- Vingeþórr[12] ヴィングトール[6] エインリジの子[6]
- Vingener[12] ヴィンゲネルデ[6] ヴィングトールの子[6]
- Móda[12] モーダ[6] ヴィンゲネルデの子[6]
- Magi[12] マギ[6] モーダの子[6]
- Seskef[12] セスケヴ[6] マギの子[6]
- Beðvig[12] ベズヴィグ[6] セスケヴの子[6]
- Athra[12] アトラ[6] アナン(Annan[12])とも呼ばれる。ベズヴィグの子[6]
- Ítrmann[12] イートルマン[6] アトラの子[6]
- Heremóð[12] ヘレモーズ[6] イートルマンの子[6]
- Skjaldun[12] スキャルドゥン[6] スキョルド(Skjöld[12])とも。ヘレモーズの子[6]
- Bjáf[12] ビヤーヴ[6] ビジャール(Bjár[12])とも。スキャルドゥンの子[6]
- Ját[12] ヤート[6] ビヤーヴの子[6]
- Guðólfr[12] グゾールヴ[6] ヤートの子[6]
- Finn[12] フィン[6] グゾールヴの子[6]
- Fríallaf[12] フリーアラヴ[6] フリズレイヴ(Friðreif[6])とも。フィンの子[6]
- Vóden[12] ヴォーデン[6] オーディンとも。フリーアラヴの子[6]
ギュルヴィたぶらかし
- オーディンの最初の息子。ヨルドを母に持つ。並外れた力を持っており、あらゆる生きものを打ち負かした[1]
- アース神たちはそれぞれ馬に乗ってウルダブルンの法廷に毎日赴くが、トールは徒歩で川をかちわっていく[1]
- オーディンを除くアース神の中で一番偉く、神々と人間たちのうちで一番強い[1]
- スルーズヴァンガルという場所に国をもち、ビルスキールニルという館を持っている[1]
- タングニョーストとタングリスニルという二頭の山羊のひく車に乗るため、Öku-Þórr[12](車のトール)と呼ばれる[1]
- 三つの宝を持っているが、そのうちの一つであるミョルニルという槌で、霜の巨人や山の巨人たちの頭蓋骨を数多く打ち砕いた。またもう一つの宝である力の帯を腰におびると、二倍の力がでるという。三つ目の宝である鉄の手套は、槌の柄を握るのになくてはならない[1]
- ヴィーザルはトールの次に強いといわれている[1]
- シヴの夫。ウルの継父にあたる[1]
詩語法
- Ása-Þórr[12](アーサソール[1]) アースのトール (ása[9] アースの)
- Öku-Þórr[12] 車のトール[1]
- ヴィーズギュムニル(=jötunn Vimrar vaðs[9] ヴィムルの浅瀬を渡る巨人)[2] (jǫtunn 巨人 [男])[3](vaða 歩く、浅瀬を渡る)[3]
- 巨人ゲイルロズの館へ行く際、ヴィムルという川を渡ったことに由来[2] - Vingþórr[1][13] ヴィングトール[1] vingの意味は「武器をふるうもの」の他様々な説がある[1]
- ヴィングニル[1]
- Hlórriði フロールリジ[1]
- Véorr[3][13] ヴェーオル[1] 見張り[3]、保護者[3] [男][3]
- son Óðins[9]、Óðins sonr[13] オーディンの子[1][2] (sonr 息子)[3] [9]-11.
- son Jarðar[9] ヨルズの子[2] [9]-11.
- Iarðar burr[13] 大地の息子[1] (burr 息子 [男])[3]
- mögr Hlóðynjar[3]、mögr Hlöðynjar[12] フロージュンの息子、フロージュンの令名高き子[1] (mǫgr 息子 [男])[3]
- Fjörgynjar burr[3] フィヨルギュンの息子
- fóstri Vingnis[9] ヴィングニルの義子[2] [9]-11. ……ギュルヴィたぶらかしでは、ヴィングニルはトールの別名扱いとなっている[1]
- fóstri Hlóru[9] フローラの義子[2] [9]-11.
- メイリの兄弟[2] [9]-31.(69)
- Meila bróðir[13] メイリの兄[1] (bróðir 兄弟 [男] 英語のbrotherに相当)[3]
- ヴィーダルの身内[1]
- faðir Magna[9]、Magna faðir[13] マグニの父[1][2] (faðir 父)[3] [9]-11.[9]-11.(44)
- faðir Móða[9][13] モージの父[1]、モーズの父[2] [9]-11.
- faðir Þrúðar[9] スルーズの父[2] [9]-11.[9]-11.(45)
- ウルの父[2] [9]-11.(47)
- stjúpfaðir Ullar[9] ウルの舅[2] [9]-11.
- verr Sifjar[9] シヴの夫[1][2] (verr 夫、男 [男])[3] [9]-11.
- シヴの親しき友[2] [9]-11.(46)
- 大地の脚(岩)の民(巨人)の試し手[2] [9]-59.(148)
- dólgr jötna[9] 巨人の敵[2] (dólgr[9] 仇[2])(jǫtna 巨人の)[3] [9]-11.
- dólgr trollkvinna[9] 女巨人の敵[2] (troll トロル。ノルウェーの民話に現れる怪物:ユミルの死体から出たうじ) [中])[3](kvinna kona(女)の属格複数形)[3] [9]-11.
- bani jötna[9] 巨人の殺し手[2] (bani 殺害者、死 [男])[3] [9]-11.
- bani trollkvinna[9] 女巨人の殺し手[2] [9]-11.
- 岩の住人(巨人)の殺し屋[1]
- 岩のガウト(巨人)の怪力の殺し手[2] [9]-11.(55)
- 女巨人の末裔(巨人)を窮地に陥れる者[2] [9]-11.(53)
- gýgiar grœti[13] 女巨人泣かし[1] (gýgr 巨人の女 [女])[3]
- 巨人フルングニルの脳天割り[2] [9]-11.(51)
- vegandi Hrungnis[9] フルングニルの殺害者[2] (vega 戦う、撃ち殺す)[3]
- 巨人スリーヴァルディの九つの首を割りし者[2] [9]-11.(52)
- vegandi Þrívalda[9] スリーヴァルディの殺害者[2]
- vegandi Geirröðar[9] ゲイルロズの殺害者[2]
- dólgr Miðgarðsorms[9] ミズガルズの大蛇の敵[2]
- 蛇の危険[6]
- Hróðrs andscoti[13] フローズの敵[1] (andskoti[9] 敵対者[2])
- 人間たちの友[1]
- verjandi Ásgarðs[9] アースガルズの守護者[2] [9]-11. (verja[12] 守る[6])
- verjandi Miðgarðs[9] ミズガルズの守護者[2] [9]-11.
- ミズガルズの尊い守護者[1]
- Miðgarðs véurr[12] ミズガルズの神[1]
- stýrandi Mjöllnis[9] ミョルニルの支配者[2] [9]-11.
- stýrandi megingjarða[9] 力帯の支配者[2] (megin 力 [中])[3] [9]-11.
- stýrandi Bilskirrnis[9] ビルスキルニルの支配者[2] [9]-11.
- eigandi Mjöllnis[9] ミョルニルの所有者[2] (eiga 所有 [女])[3](eignask 所有する)[3] [9]-11.
- eigandi megingjarða[9] 力帯の所有者[2] [9]-11.
- eigandi Bilskirrnis[9] ビルスキルニルの所有者[2] [9]-11.
- ビルスキールニルの候[2] [9]-11.(49)
- dróttinn Þjálfa[9] シャールヴィの主人[2] (dróttinn 主人、領主 [男])[3] [9]-11.
- dróttinn Rösku[9] ロスクヴァの主人[2] [9]-11.
- hafra dróttinn[13] 山羊の主[2]、山羊の主人[1] [9]-11.(54)
- 車の主人[1]
- þrúðvaldr goða[13] 神々の強力な頭[1] (Þrúð 強きもの)[1](guð 神(キリスト教の) [男])[3]
トールの名に関連するケニング
新釈北欧神話版
用語を元ネタに用いた作品の一例
- GOD EATER BURST :『トール』……索敵・観測タイプの制御ユニット名
- GOD EATER 2 :『トール』……索敵・観測タイプの制御ユニット名
- GOD EATER 2 RAGE BURST :『トール』……索敵・観測タイプの制御ユニット名
- GOD EATER 3 :『トールハンマー』……近接武器系のバーストプラグイン名
- Persona :『トール』……HIEROPHANTのアルカナのペルソナ
- ペルソナ3 :『トール』……戦車のアルカナの最強ペルソナ
- ペルソナ3 フェス :『トール』……戦車のアルカナの最強ペルソナ
- ペルソナ3 ポータブル :『トール』……戦車のアルカナの最強ペルソナ
- ペルソナ4 :『トール』……戦車のアルカナのペルソナ
- ペルソナ4 ザ・ゴールデン :『トール』……戦車のアルカナのペルソナ
- ペルソナ5 :『トール』……戦車のアルカナのペルソナ
- ペルソナ5 ザ・ロイヤル :『トール』……戦車のアルカナのペルソナ
- GOD EATER 禁忌を破る者 :『アーサソール』……接触禁忌種専門の討伐部隊名