古詩を引用し、神話や英雄伝説を語りながら、詩語の引用や韻律を解説した詩学入門書。十三世紀に、スノリによってアイスランドで記された。[1]
写本の一つCodex Uppsaliensisに、【この書物は『エッダ』と呼ばれる。スノリがこの順序にまとめた】と記されていたことから、著者と書名が判明している。[1]
古エッダとの区別のために、”新エッダ”または”散文のエッダ”と呼ばれることもある。
序文
ギュルヴィたぶらかし[1]
- Gylfaginning[1] (Gylfi 伝説上のスウェーデンの王)[3](「ginnung」には「惑わし・欺き・嘲り」の意味が含まれる)[4]
- 成立年代:早くとも1225年頃[1]
- ケニングを扱うために必要な知識として、神話の概観を述べたもの[1]
- ギュルヴィ王が古い神々について知りたいと思いアースガルドに赴き、三人の神々に出会って神話について語り合う[1]
詩人のことば(詩語法)[1]
- Skáldskaparmál[1] (skald 詩人)[3](skapa 創造する)[3](mál ことば、事柄、契約 [中])[3]
- 成立年代:早くとも1225年頃[1]
- 詩語、とりわけケニングの説明を述べた教科書的なもの[1]
- 海神エーギルと詩の神ブラギの対話という枠によって、神々の冒険や詩について語らせながら、ケニングの成立を教える[1]
韻律一覧[1]
- 谷口幸男(1973)『エッダ―古代北欧歌謡集』新潮社 :第一部『ギュルヴィたぶらかし』の日本語完訳が記載
- 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部 :第二部『詩語法』の日本語完訳が記載
- 谷口幸男(2002)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(1)」『大阪学院大学国際学論集』(13(1) (通号 25))p.203~230,大阪学院大学国際学学会 :『序文』の日本語完訳と、『韻律一覧』の日本語完訳の前半部分が記載
- 谷口幸男(2002)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(2)」『大阪学院大学国際学論集』(13(2) (通号 26))p.125~154,大阪学院大学国際学学会 :『韻律一覧』の日本語完訳の中盤部分が記載
- 谷口幸男(2003)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(3)」『大阪学院大学国際学論集』(14(1) (通号 27))p.99~130,大阪学院大学国際学学会 :『韻律一覧』の日本語完訳の後半部分が記載