Snorra Edda[3](スノッリのエッダ[25])
Prose Edda[3](散文のエッダ[3][26]、散文エッダ[18])
新エッダ[1]
概要
- 詩人の本、詩学の教科書。古詩を引用し、神話や英雄伝説を語りながら、詩語の引用や韻律を解説した詩学入門書。十三世紀に、スノリによってアイスランドで記された[1]
- 写本の一つCodex Uppsaliensisに、【この書物は『エッダ』と呼ばれる。スノリがこの順序にまとめた】と記されていたことから、著者と書名が判明している[1]
- ゲルマン民族の神話としては『エッダ』と『スノッリのエッダ』のほかにはほとんどまとまったものは残されていないため、北欧神話というのはゲルマン神話といいかえてもまちがいではない[25]
スノリのエッダ 序文[6]、原著者序[18]
- ゲルマン人の神オーディンについて、神話史実説的解釈を行ったもの[2]
- 北欧人は東方のアシーアに由来するとし、北欧神話の主神オーディンは神ではなく歴史上の支配者とされ、アシーアにあるアーサヘイムの首都アースガルズの支配者で、東方から北進してかずかずの国々を征服していったとされる[18]
- スノリの筆であることが疑われることもある[2]
ギュルヴィたぶらかし[1][6][18]、ギュルヴィの欺き[3]
- Gylfaginning[1][3] (Gylfi 伝説上のスウェーデンの王)[3](「ginnung」には「惑わし・欺き・嘲り」の意味が含まれる)[4]
- 成立年代:早くとも1225年頃[1]
- ケニングを扱うために必要な知識として、神話の概観を述べたもの[1]
- 北欧神話の概観が記され、天地創造から神々の滅びにいたる一貫した物語になっており、次の第二部であつかわれるケニング論の素材が提供される[18]
- ギュルヴィ王が古い神々について知りたいと思いアースガルズに赴き、三人の神々に出会って神話について語り合う[1]
詩人のことば[1]、詩語法[6][18]
- Skáldskaparmál[1] (skald 詩人)[3](skapa 創造する)[3](mál ことば、事柄、契約 [中])[3]
- 成立年代:早くとも1225年頃[1]
- 詩語、とりわけケニングの説明を述べた教科書的なもの[1]
- ケニング(言い換え)とヘイティ(同意語)についてのくわしい解説がなされる[18]
- 海神エーギルと詩の神ブラギの対話という枠によって、神々の冒険や詩について語らせながら、ケニングの成立を教える[1]
韻律一覧[1][6][18](ハッタタル[6]、ハッタタール[18])
- 谷口幸男(1973)『エッダ―古代北欧歌謡集』新潮社 :『ギュルヴィたぶらかし』の日本語完訳が記載
- 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部 :『詩語法』の日本語完訳が記載
- 谷口幸男(2002)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(1)」『大阪学院大学国際学論集』(13(1) (通号 25))p.203~230,大阪学院大学国際学学会 :『序文』の日本語完訳と、『韻律一覧』の日本語完訳の前半部分が記載
- 谷口幸男(2002)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(2)」『大阪学院大学国際学論集』(13(2) (通号 26))p.125~154,大阪学院大学国際学学会 :『韻律一覧』の日本語完訳の中盤部分が記載
- 谷口幸男(2003)「スノッリ・ストゥルルソン『エッダ』「序文」と「ハッタタル(韻律一覧)」訳注(3)」『大阪学院大学国際学論集』(14(1) (通号 27))p.99~130,大阪学院大学国際学学会 :『韻律一覧』の日本語完訳の後半部分が記載
- Snorri Sturluson , Finnur Jónsson (2012)『Edda Snorra Sturlusonar』Ulan Press :『序文』から『韻律一覧』まで、スノリのエッダ全文の原文を記載
- Guðni Jónsson (http://www.heimskringla.no/wiki/Gylfaginning) :『ギュルヴィたぶらかし』部分の原文を記載
- Guðni Jónsson (ed.), Eddukvaeði,Íslendingasagnaútgáfan (1954) (http://www.heimskringla.no/wiki/Skáldskaparmál) :『詩語法』部分の原文を記載