Rúnar[3][13]、Rúnic alphabet[3](ルーネ[1]、ルーン[2][6]、ルーン文字[3][11][18][25][26]) 知恵[3]、秘密[3]、神秘の文字[15]
原典版
概要
- 三世紀初めから十四世紀にわたり、スカンジナヴィアを中心としてひろく北欧一帯で用いられたゲルマンの古文字[1][11]
- 三世紀初めから八世紀までの二十四文字の古形と、それ以降に作られた十六文字の新形がある[1]
- 主に木片、骨、石、金属の上などに彫って使用された。彫ったルーネ文字を削り去り、火中に投ずると効果もやむとされる[1]
- ルーネ文字は古くは呪術と深い結びつきをもっており、シグルドリーヴァの歌で詳しく伝えられている[1]
- アイスランドでは最近まで、航海に出かける前に船の艫と舳先にルーネを彫ったという。また近代になってからもSルーネの助けをかりて眠りの魔法を行っている。このルーネを枝や葉の上に何度も彫りつけ、それを寝ている者の髪の中か、服の胸の上へ突っ込むと、それが落ちるかとり去られないうちは決して眠りは去らないという[1]
- スウェーデンにはルーン文字の碑文が6000余存在するが、なかには韻文形式のものも見られる[11]
オーディンの箴言
- アースヴィズが巨人たちの前でルーネを彫った[1]
- 小人のダーインが、妖精の前でルーネを彫った[1]
- 小人のドヴァリンが、小人の前でルーネを彫った[1]
- 小人のスョーズレーリル(Þióðrørir[13])がデリングの扉の前でルーネのまじないを唱え、アース神に力を、妖精に利益を、オーディンに知恵を吹き込んだ[1]
- オーディンは九夜のあいだ、風の吹きさらす樹に我が身を犠牲に捧げ(管理人注:ユグドラシルに九日間我が身を吊して)、ルーネ文字を読み取った[1]
- 救い。争いや心配やすべての悩みから救ってくれる[1]
- 医者になろうと思っている全ての人々の子に必要[1]
- 敵の刃をなまくらにする[1]
- 足かせや手かせを外す[1]
- 投げられた槍を止める[1]
- 呪いを相手に返す[1]
- 火が燃え広がらないようにする[1]
- 憎悪が募ったときに、鎮める[1]
- 海上の風を鎮め、海を穏やかにする[1]
- 魔女らが家に残してきた身体に戻れなくする(訳注:魔女は夜、姿を変えてよそに行くときに、住居に本体を残していく)[1]
- 無事に戦から帰ってこられるようにする[1]
- 死者と語る(訳注:ルーネを彫った木片を死者の舌の下に入れ、予言をさせる)[1]
- 戦士が戦に出ても戦死することがないようになる[1]
- 人々の前で神々のことを語るときにもちいる[1]
- 小人のスョーズレーリルがデリングの扉の前で唱えたもの[1]
- 女の心を変えて、自分を思うようにする[1]
- 娘が自分を欺かないようにする[1]
- オーディンと、オーディンを腕で抱いた者、オーディンの姉妹以外は知らないまじない[1]
オーディンが語ったルーンの効能一覧
グリーピルの予言
シグルドリーヴァの歌
- シグルドリーヴァはシグルズに、力と名声や、呪文と医療のルーネと効き目の強い魔法と愛のルーネがたくさん入った麦酒を差し出し、様々なルーネの知恵や十一にもわたる忠告を授けた[1]
- Sigrúnar[13] 勝利のルーネ (sigr 勝利 [男])[3]
……勝利を望むときに使用する。剣の柄か血溝の上、あるいは剣の峰に勝利のルーネを彫り、二度チュールの名を唱える[1] - Ǫlrúnar[13] 麦酒のルーネ (ǫl ビール [中])[3]
……信じている女に欺かれたくないときに使う。角杯の上や手の甲に彫り、爪にᚾ(Nauð[13] ナウズ[1] )のルーネを印す。また、角杯を清め、災いに対し身を守り、飲み物の中に韮を投げ入れると、蜜酒に災いが混ぜられることは決してない[1] (nauðr 困窮 [女] 英語needに相当)[3] - Biargrúnar[13] 安産のルーネ(分娩のルーネ)
……妊婦の分娩を助けたいときに使う。手の平に彫って関節を伸ばし、ディースたちの加護を願う[1] - Brimrúnar[13] 浪のルーネ
……船の海路の安全を願う時に使う。舳先と舵の上に彫り、櫂に焼き込むと高浪はおさまり、波が黒くもならず、無事に港に着ける[1] - Limrúnar[13] 枝のルーネ (limar 枝)[3]
……医者になって傷を見ようとするなら必要。樹皮の上、または東に向かって枝を垂れる森の樹の上に彫る[1] - Málrúnar[13] 雄弁のルーネ (mál ことば、事柄、契約 [中])[3]
……誰からも恨みを憎しみで返されたくない時に使う。人々が法廷に行く民会で編み、織り、すべて組み立てる[1] - Hugrúnar[13] 知恵のルーネ
……誰よりも賢くなりたいときに使う。フロプト(オーディンの別名)が、ヘイズドラウプニルの頭とホッドロヴニルの角杯から滴った飲物から知恵のルーネを手に入れた。そしてミーミルの頭は彼にルーネでしるされた真の知恵を告げた[1] - bócrúnar[13] 橅のルーネ[1]
- meginrúnar[13] 力のルーネ[1] (megin 力 [中])[3]
- 太陽の前に立つ楯の上[1]
- アールヴァクの耳の上とアルスヴィズの蹄の上[1]
- ルングニルの車の下でまわる車輪の上[1]
- スレイプニルの歯の上[1]
- 橇の滑り木の鉄の帯の上[1]
- 熊の爪の上[1]
- ブラギの舌の上[1]
- 狼の爪の上[1]
- 鷲の嘴の上[1]
- 血まみれの羽の上[1]
- 橋頭の上[1]
- 産婦の手の平[1]
- 救い手の足跡[1]
- ガラスの上[1]
- 黄金の上[1]
- 人々の護符の上[1]
- 葡萄酒の中[1]
- 麦酒の中[1]
- 居心地のよい椅子の中[1]
- グングニルの先[1]
……実際に、槍先に「攻撃者」「疾駆する者」「試す者」または所有者を示すらしいルーネ刻銘などがみられるものが発見されている[1] - グラニの胸[1]
- 運命の女神の爪の上[1]
- 梟の嘴の上[1]
……梟は死を告げる不吉な鳥とされたため、おそらく禍のルーネであろうと考えられる[1]
シグルドリーヴァがシグルズに教えたルーネ
ルーネが彫られる箇所
グズルーンの歌Ⅰ
シグルズの短い歌
ニヴルング族の殺戮
グリーンランドのアトリの詩
- アトリがギューキ一族らを自らの国に招待しようと使者を送ったため、グズルーンが彼らを救うためにルーネを彫った。しかしそれは渡される前にヴィンギという者によって改竄された。それを受け取ったコストベラが内容を解釈した所、内容が混乱しているが、アトリのところに出かけたら死ぬという警告が書いてあるように読み取れたため、ヘグニにそのことを注意した[1]