スカルド詩(スカールド詩)

Skaldic poetry[3](スカルド詩[3]、スカールド詩[16]

概要

  • 作者のわかる機会詩であり、即興詩[10]
  • 個人の心情を歌うことは稀で、現在(あるいは定時的)の王侯の武勲や建物、事物などを褒める内容を歌う(主観的叙述)[10]
  • 頭韻詩で、リズムの中に表現が込められる点が後世の脚韻詩と大きく異なる[10]
  • 華麗で技巧的な形式をもつ。韻律を厳格に守るため語順は完全に犠牲になっている(語順はかなり自由に組んでも良い)。短行はかならずトロカイオス(強弱格)で終わる[10]
  • 「詩語法」と「韻律一覧」では、スカルド詩の構造についてそれぞれ異なった説明がなされている。

詩語法における、詩の構造の説明

詩語法では、詩は「mál ことば」と「hættir 韻律」から構成される、と説明されている。

  • mál[3][9] ことば[2][3]、事柄[3]、契約[3] [中][3] 
  • 詩中では特に「skáldskaparmáls[9] 詩語[2]」とも呼ぶ
  • 詩語はさらにいくつかの種類に分けられる

heiti

  • heiti[3] 固有名詞(名称[3]) [中][3]
  • オーディン」や「ミョルニル」のような、個人名や動物名、物などの名前そのもの
  • ただし、hanga-Týr(ハンガテュール。吊るされた神。オーディンの別名)、farma-Týr(ファルマテュール。荷のテュール。オーディンの別名)など、ケニングではあるが固有名詞(別名)としても用いられるようなものがここで例として挙げられており、詩語法で言われる「heiti」と「kenning」での厳密な区別を付けることが難しい詩語も存在する

fornöfn

  • fornöfn[9] 代称[2](代名[2]) (nöfn nafn(名)の複数形)[3]
  • 例は挙げられていないが、「私」「彼」「あなた」などの代名詞を表すと考えられる

kenning

  • kenning[3][9] ケニング[2][3]、ケンニング[16]、詩的代称[3] [女][3]
  • viðkenningar[9] 附随ケニング。あるものを呼ぶとき、その名前そのものと一緒になにか別のもので呼んだり、あるいはそのものの父や祖父などを呼ぶという手法[2](例:〇〇の父、〇〇の所有者、など) (við ~のかたわらに 英語withと同等 [前])[3]
  • sannkenningar[9] 真のケニング。人を賢者、執事、雄弁家、諫言者などと呼ぶ言い方[2]。人の本質や資質を表す言い方 (sannr[3] 本当の)

ケニング(代称法)とは、規定語と基語の二つの語によって一つの語を詩的に言いかえる代称である[10]
一度使われたケニングは二度とつかってはならないというきまりがあったため、詩人は規定語と基語をさまざまなバリエーションで変化させ、組み合わせて、さまざまなことばをいいかえていた[10]

ケニング一覧

強調の技法

通常は『船の樹(=男)』、『傷の火(=剣)』のように一つのケニングで一つの語を表すが、規定語をケニングでいいかえることにより、『戦の棒の樹(戦の棒=剣、剣の樹=男)』のように二つのケニングで一つの語を表す技法は、得に”強いる[2]”と呼ばれる。
さらに二重のケニングの規定語をケニングでいいかえることにより、三重、四重のケニングとすることもできる[10]

スカルド詩以外に見られるケニング

  • 古英詩の「べーオーウルフ」……ケニングが散見されるがスカルド詩に比べて数は非常に少なく、また二重三重の用法は見られない[10]
  • 独語「ヒルデブラントの歌」、古サクソン語の「ヘーリアント」……ケニングはほとんどわずかしかない[10]
  • エッギャの石板……700年頃にノルウェーでしるされたルーン文字の碑文。「死体の海=血」という表現がみられる[10]
  • エッダ……スカルド詩ほどではないにせよ、多くのケニング用法が見られる。神話詩にすくなく、英雄詩に多く見られる[10]

ケニングの起源

  • 宗教的または迷信的観念から、普通の語で呼ぶことがタブーとされている概念を別の語によりいいかえることから発展した……ポルテンゲンの説[10]
  • もともと宗教的・祭儀的な秘密言語とケニングには強い関係性があったが、祭儀的観念にとらわれない自由な詩人の手にかかってはじめて詩語としてのケニングが出来上がった……クラウゼの説[10]
  • ルールの厳しい韻律のもとで、比喩表現が短縮されてケニングができあがった……ローセンボアの説[10]
  • 韻律による厳しい縛りがあることによって、かえってバリエーション豊かで簡潔なケニングが生まれた……ヨウンソン、ハインツェルらの説[10]

あえて意味があいまいな言葉を用いる詩の技法。
同意語を共有している様々な名も同じようにあいまいな用い方ができる。

Læti 声

  1. rödd[9] 声、音声[2]
  2. æði[9] 気質[2](ólund[9] 不機嫌[2](ó- 否定接頭辞 英語un-に相当)[3](lund[9] 気性[2]))

レイジ

  1. reiði[9] 怒り[2] (reiðr 怒れる)[6]
  2. reiði[9] 船や馬の装備[2]

ファールとファル

  1. fár[9] 怒り、憎悪[2]
  2. far[9] 船[2]

リズ

  1. lið[9] 関節[2]
  2. lið[9] 船[2]
  3. lið[9] 民衆[2] (lið 軍勢 [中])[3]
  4. lið[9] 人が他の者に援助をすること[2]
  5. líð[9] ビール[2]

フリズとフリーズ

  1. hlið[9] 垣[2]
  2. hlið[9] 牡牛[2]
  3. hlíð[9] 坂[2]

韻律一覧における、詩の構造の説明

スカルド詩には約百種の詩形が存在するが、その中でも宮廷律(ドロットクベート。dróttkvæðr[12])が最もよく用いられる[10]

一【連(vísu)】は八行からなる[6]
【四分の一詩節(fjórðungr[12])】はそれぞれ二行からなり、各【行(vísuorð[12])】は六音節からできている[6]。 (fjórðungr 4分の1 [男])[3]
【音節(samstöfur[12])】のうち、【強音節】は一詩節に計十二つ、四分の一詩節に計三つある[6]

上図の例では、第二行の最初の音節《hann》に【頭韻(höfuðstafr[12])】とよばれる韻が置かれており、この韻が詩の流れを決める[6]。 (hǫfuð 頭、首 [中] 英語headに相当)[3](stafr 頭韻を踏む文字 [男])[3]
最初の行ではこの韻は《Há》と《hei》の二度あらわれており、これを【詩脚(stuðlar[12])】と呼ぶ[6]

頭韻が子音の場合

  • 詩脚も同じ子音でなければならない[6]
  • また、この子音の韻が入った音節の数が、四分の一詩節に対して多かったり少なかったりするのは正しくない[6]

頭韻が母音の場合

  • 詩脚も母音でなければならない。三つの詩脚がそれぞれ別の母音であればより美しい[6]
  • 母音が次のような代名詞や品詞の形で、四分の一詩節に対して多めに現れることは許されるが、正しい規則(rétt setning)ではない[6]
    • ek[3][12] わたし[6] 私は[3] [代][3] 英語I、独語ich、羅語egoに相当[3]
    • en[3][12] しかし[3][6]、~よりも[3] [接][3] 英語but、thanに相当[3]
    • er[3][12] とき[6]、~する時に[3] [接、代][3] 英語whenに相当[3]
    • at[3][12] ところの[6]、~へ(場所)[3]、~の家で[3]、~ということを[3] [前、接][3] 英語thatに相当[3]
    • í[3][12] の中[6]、~の中に[3] [前][3]
    • á[3][12] で[6]、~に[3]、~へ(場所)[3] [前][3]
    • of[3][12] について[6]、虚辞(特に詩において)[3] [副][3]
      ※虚辞……その言葉自体に意味は無いものの、リズムを取ったり文章のバランスを整えるために付け加える言葉
    • af[3][12] から[3][6]、~によって[3] [前][3]
    • um[3][12] のまわり[3][6]、~に沿って[3] [前、副][3]

setning[12] 規則[6]

rétt setning[12] 正しい規則[6]
  • tala setning[12] 規則の数[6] (tal 数)[3]
    1. 詩中にみられる詩節の数[6]
    2. 各詩節の連のなかの行の数[6]
    3. 各行のなかの音節の数[6]
  • grein setning[12] 規則の特性[6]
    1. málsgrein[12] 言葉の特性[6] (mál ことば、事柄、契約 [中])[3]
      • 文字の配列により区別される[6]
    2. hljóðgrein[12] 音の特性[6] (hljóð 傾聴 [中])[3]
      • 音節が長いか短いか、硬いか軟らかいかで区別される[6]
      • この音の特性を特に『韻(hendingar[12])』と呼ぶ[6]
breytt setning[12] 変化の規則
  • máli[12] 意味の変化[6](言葉の変化)
    1. kenningar[12] 言いかえ(ケニング)[6] ……語彙を増やす働きがある[6]
      • kenningar[12] 単純なケニング[6]
        • (例)戦い⇒槍の響き[6]
      • tvíkent[12] 二重のケニング[6]
        • (例)剣⇒槍の響き(戦い)の火[6]
      • rekit[12] 拡大されたケニング[6]
    2. sannkenningar[12] 本当のケニング[6] ……語を真の実質で支え、言語を美化し、充実させる[6]
      • sannkenning[12] 単純な本当のケニング[6]
        • (例)sterk egg[6] 逞しい刃[6]
        • (例)framir seggir[6] 大胆な男たち[6] (seggir[9] 従者[2]
      • stuðning[12](支え[6])+本当のケニング[6]
        • 本当のケニングにもうひとつ確認の語がつく[6]
        • (例)hörð egg[6]⇒eggin óhörð(刃が強靱[6]
        • (例)hvatir menn[6]fullhvatir mennirnir(男たちが勇気ある[6])(menn maðr(男、人)の複数形)[3]
      • tvíriðit[6] 二重にねじれたケニング[6]
    3. nýgörvingar[12]、nýgervingar[9] 比喩(新造語をつくる)[6]
      • はじめに「剣」を「蛇」と言い換えた場合、「剣の鞘」を蛇の性質に合わせて「道」や「抜け殻」などと呼ぶ技法[6]
      • 芸術味と語の洗練を示すはたらきがある[6]
      • 取り上げられた事柄が詩節を通して維持されていれば成功といえるが、はじめに「剣」を「蛇」と言い換えながら、後に「魚」や「枝」などの別の言葉に言い換えられた場合は失敗とみなされる[6]
  • hljóðum[12] 音の変化[6]

leyfi[12] 破格[6]、自由[6]

※韻律の破格……字余りのように、音節の数や長短に対して多少変則的な扱いを認めること
宮廷律に認められている自由(どの程度までなら、音節の数や韻のルールを変えていいのか)は主に以下の通りである。

音節の数
  • 音節の数は、一行に七ないし八音節程度までなら許される[6]
韻のバリエーション
  • 詩の一行または二行を、『álögum[12](拡大[6])』、『detthent[12](落ちる韻[6])』、『dunhent[12](響く韻[6])』、『skjálfhent[12](震える韻[6])』、その他のバリエーションで構成できる[6] (skjálfa 震動する、ふるえる)[3]
詩語法(bragarmál[12]
  • 二音節を一音節にしたり、音節の一つから母音を取り去って音節を縮めることができる。この技法は特に『詩語法』と呼ばれる[6]
  • (例) varda ek mik, þar es myrðir[6] ⇒ Varðak mik, þars myrðir[6]
半詩行(vísuhelmingar)における時の交代(skipta tíðum)(または時制の交代)
同韻(samhendingar)または部分韻(liðhendingar)の使用

同じ語の使用
  • 二つの『半詩行(vísuhelmingar)』で同じ語を使うことができる[6]
  • また、一行前か、もっと近くで使われた語を繰り返し使うこともできる[6]
  • しかし、一つの『連(vísum[12])』の中で同じ語を使うのは過ちとされている[6]
ケニングの長さ
  • ケニングは五重のケニングまでは許される[6]
  • 古い作品には五重以上のケニングもみられるが、(スノリがこのエッダを編纂した)現在では用いない[6]
付加語
  • 一つの連に付加語、あるいは奇数行の最後に韻を踏んだ付加語をつけることができる[6]
接続詞
  • 『er(しかし、~よりも)[3]』、『en(~する時に)[3]』、『at(~へ)[3]』のような語を、半詩行に一回以上使用できる[6]
代名詞
  • 最初の半行(helmingi)で名前があげられるか、ケニングで名前が言及された場合は、後の半行では名前をあげずに『hann(彼)』か『hinn(かの者)』か『sá(この者)』か『sjá(その者)』などと呼んでもよい[6]
分語法(atriðisklauf[12]

fyrirboðning[12] 禁止[6]

その他の宮廷律のルール

frumhending

最初の韻。行の最初に立つ場合は特に【oddhending】、行の真ん中に立つ場合は【hluthending】とよぶ[6]

viðrhending

各行の二番目の韻。必ず最後の音節にある必要がある。また、一つでなければならない[6]

sextánmæltr(一行に二回、計十六回いわれる)

  • 各行に二つの完全な文章が置かれる[6]
  • 行の長さ、音節、頭韻、文字の置き換えは宮廷律と同様[6]
  • 行1 ○○○。 ○○○。
  • 行2 ○○○。 ○○○。
  • 行3 ○○○。 ○○○。
  • 行4 ○○○。 ○○○。
  • 行5 ○○○。 ○○○。
  • 行6 ○○○。 ○○○。
  • 行7 ○○○。 ○○○。
  • 行8 ○○○。 ○○○。

áttmælt(八行詩形)

  • 各行が一文を成す[6]
  • 行1 ○○○ ○○○。
  • 行2 ○○○ ○○○。
  • 行3 ○○○ ○○○。
  • 行4 ○○○ ○○○。
  • 行5 ○○○ ○○○。
  • 行6 ○○○ ○○○。
  • 行7 ○○○ ○○○。
  • 行8 ○○○ ○○○。

fjórðungalok(四分の一どめ)

  • 二行で一文が終わる[6]
  • 行1 ○○○ ○○○
    行2 ○○○ ○○○。
  • 行3 ○○○ ○○○
    行4 ○○○ ○○○。
  • 行5 ○○○ ○○○
    行6 ○○○ ○○○。
  • 行7 ○○○ ○○○
    行8 ○○○ ○○○。

stál(挿入)

  • 意味において同じな行を間に挿入する[6]
  • 行1 ○○○ ○○○。
  • 行2 ●●● ●●●。
  • 行3 ○○○ ○○○。
  • 行4 ●●● ●●●。
  • 行5 
  • 行6 
  • 行7 
  • 行8 

↑ ○と同じ意味で違う言い回しの●の文を間に入れる

hjastælt(隣接)

  • 第一、第二、第三行が同じ意味を持つ[6]
  • 行1 ○○○ ○○○。
  • 行2 ●●● ●●●。
  • 行3 ▼▼▼ ▼▼▼。
  • 行4 
  • 行5 
  • 行6 
  • 行7 
  • 行8 

↑ ○と同じ意味で違う言い回しの●の文と▼の文が続く

langlokum(長い終わり)

  • 一つの文が最初の行ではじまり、最終の行で終わる[6]
  • 行1 ○○○ ○○○、 ← 一つの文が一行目から始まり、
  • 行2 
  • 行3 
  • 行4      ← 間に別の文をはさみ、
  • 行5 
  • 行6 
  • 行7 
  • 行8 ○○○ ○○○。 ← 最後の行で終わる。

tiltekit(扶助)

  • 最初の半行は先行の詩行に導かれ、前行の最後にくる語がそれに続く[6]
  • 行1 þeim er , ○○○
  • 行2 
  • 行3 
  • 行4 
  • 行5 
  • 行6 
  • 行7 
  • 行8 

↑ þeim er≒those who(~する人々)。この語単体では意味が成り立たず、先行の詩行との組み合わせで意味が成立する

drögur(前辞反復)

  • 連の最初の語が前の詩の最後の語と同じ[6]
  • 前の詩の行8 ○○○ ○ setri.
  • 行1 Setr ●● ●●●
  • 行2 
  • 行3 
  • 行4 
  • 行5 
  • 行6 
  • 行7 
  • 行8 

refhvörf(対照)

  • 対照では、対を為す語を二つ選ぶが、以下のルールに従う必要がある
    • できるだけ意味が違う語(対立した意味の語)を選ぶこと[6]
    • 二語とも同じ拍子を持つこと[6]
  • 適した語を見つけるのが難しい場合は、いくつかの語は都合の良いように変えることも出来る[6]
mestu refhvörf(最大の対照)
  • 行の半分だけが対照になっていて、その二つがそれぞれ他の行におかれている[6]
最大の対照のうち最小のもの
  • 各半詩節に対照をなす行があり、各々二つもっている[6]
小さな対照
  • 各行に対照があるもの[6]
  • 一行おきに対照があるもの[7]
  • 各半行にひとつの対照があるもの(最小の対照)[7]
  • 行1 Himinglæva strýkr hávar
  • 行2 hrönn skilja sog, þiljur.
  • 行3 Lögstíga vill lægir
  • 行4 ljótr fagrdrasil brjóta.
  • 行5 sheims náir ljóma,
  • 行6 líðr ár, of gram blíðum,
  • 行7 uðr rekkir kjöl klökkvan
  • 行8 köld, eisa, far geisar.
refhvarfabróður(対照の兄弟)
  • 第二行と第四行に対照のように対立した語がおかれる[7]
  • しかし語はそれぞれ隣接しておらず、間に一音節あるが、同じリズムをもっていない[7]
  • 行1 Firrisk hönd með harra ←不完全韻(異なる母音の後に同じ音)
  • 行2 hlumr, líðr vetr af sumri, ←完全韻(同じ母音の後に同じ音)
  • 行3 en flaust við lög Lista ←不完全韻
  • 行4 löng taka hvílð at göngu. ←完全韻
  • 行5 Öl mæðir lið lýða, ←不完全韻
  • 行6 létt skipask höll, it rétta, ←完全韻
  • 行7 en skál at gjöf góla ←不完全韻
  • 行8 gulls svífr, tóm, in fulla. ←完全韻

dunhenda(反響韻、響く韻)

  • 前行の最後の語が次行の頭に繰り返される[7]
  • 行1 Hreintjörnum gleðr horna,
  • 行2 horn náir lítt at þorna,
  • 行3 mjöðr hegnir böl bragna,
  • 行4 bragningr skipa sagnir.
  • 行5 Folkhömlu gefr framla,
  • 行6 framlyndr viðum gamlar,
  • 行7 hinn er heldr fyr skot skjöldum,
  • 行8 skjöldungr hunangs öldur.

tilsagt(注釈)

  • 各行にケニングの注釈が入れられている
  • 行1 Röst gefr öðlingr jastar,
  •   王は酵母の海[7]
  • 行2 öl virði ek svá, firðum.
  •   ―余はそをビールと評価す―を人々に与える[7]
  • 行3 Þögn fellir brim bragna,
  •   人々の沈黙は角杯の波[7]
  • 行4 bjór forn er þat, horna.
  •   ―そは古きビールなり―により破らる[7]
  • 行5 Máls kann mildingr heilsu,
  • 行6 mjöðr heitir svá, veita.
  • 行7 Strúgs kemr í val veiga,
  • 行8 vín kalla ek þat, galli.

orðskviðuháttr(諺律)

  • 一行ごとにことわざが挿入される
  • 行1 Fúss brýtr fylkir eisu
  •   王は喜び、沼の火(黄金)を毀つ[7]
  • 行2 fens.Bregðr hönd á venju.
  •   ―手は習いのごと動く[7]
  • 行3 Ránhegnir gefr Rínar
  •   略奪を罰する者はラインの琥珀(黄金)を与う[7]
  • 行4 röf. Spyrr ætt at jöfrum.
  •   ―王侯の血筋は争えぬもの[7]
  • 行5 Mjök trúir ræsir rekka
  • 行6 raun. Sér gjöf til launa.
  • 行7 Ráð á lofðungr lýða
  • 行8 lengr. Vex hverr af gengi.

álagsháttr(拡張律)

  • 次行の最初の語で文が完結する韻律[7]
  • 以下では第二行と第四行が一音節の完全な語ではじまり、これが前行の意味を完結する[7]
  • 行1 Ískalda skar ek öldu
    行2 eik
    , var súð in bleika
    行3 reynd
    , til ræsis fundar
    行4 ríks
    . Emk kuðr at slíku.
  • 行5 Brjótr þá hersis heiti
    行6 hátt
    , dugir sæmð at vátta,
  • 行7 auðs af jarla prýði
    行8 ítrs
    . Vara siglt til lítils.

forna skjálfhenda(古い震え韻律)

  • この韻律がヴェイリによって考案されたとき、船が難破して岩礁に逃れ寒くて震えていたため、「震え韻律」と呼ばれるようになった[7]
  • 以下では、各半詩行の第三行(三行目と七行目)が完全韻をもった震え韻律となっている(それ以外は宮廷律)[7]
  • 行1 Reist at Vágsbrú vestan,
  • 行2 varrsíma bar fjarri,
  • 行3 heitfastr hávar rastir
  • 行4 hjalm-Týr svölu stýri,
  • 行5 Stökr óx, er bar blakka
  • 行6 brims fyr jörð it grimma
  • 行7 herfjö, húfar svöu,
  • 行8 hrannláð, búandmanna.

tvískelft(二重の震え韻律)

  • 震え韻律(震える韻)=一音節だけでわけられた頭韻[7]
  • 以下では、第一行と第三行で韻律の変化がある[7]
  • 行1 Vandbaugs veitti sendir
  • 行2 vígrakkr, en gjöf þakkak
  • 行3 skjaldbraks skylja mildum,
  • 行4 skipreiðu mér, heiða.
  • 行5 Fann næst fylkir unna
  • 行6 föl dýr at gjöf stýri
  • 行7 stálhreins. Styrjar deilis
  • 行8 stórlæti sá ek mæta.

tiltekit(連結)

  • 以下では第五行が韻律を変えており、頭韻をもったこの行は新しい「震え韻」に非常に近いものとなる[7]
  • 行1 Ok hjaldrreifan hófu
  • 行2 hoddstiklanda miklir,
  • 行3 morðflýtir kná mæta
  • 行4 malmskúrar dyn, hjalmar,
  • 行5 hjaldrs þá er hilmir foldar
  • 行6 hugfærum gaf stæri,
  • 行7 ógnsvellir fær allan,
  • 行8 jarldóm göfugr, sóma.

detthendr háttr(落ち韻律、落ちる韻)

  • 以下では、第二行と第四行で韻律が変わっており、第四行が韻律形にとって重要となる[7]
  • 行1 Tvær man ek hilmi hýrum
  • 行2 heims vistir ótvistar.
  • 行3 Hlaut ek á samt at sitja
  • 行4 seimgildi fémildum.
  • 行5 Fúss gaf fylkir hnossir
  • 行6 fleinstýri margdýrar.
  • 行7 Hollr var hersa stilli
  • 行8 hoddspennir fjölmennum.

draugsháttr(幽霊韻律)

※後述のflagðahátturも[7]で幽霊韻律と訳されるが、原文の名前が異なるため別の韻律形と考えられる

  • 以下では第二行と第四行で韻律が変わっており、第三音節が韻律形にとって重要となっている[7]
  • 行1 Þoll bið ek hilmis hylli
  • 行2 halda grænna skjalda
  • 行3 Askr beið af því þroska
  • 行4 þilju Hrungnis ilja.
  • 行5 Vígfoldar njót valdi
  • 行6 vandar margra landa,
  • 行7 nýtr vartu oss, til ítrar
  • 行8 elli, dolga fellir.

flagðaháttur(幽霊韻律)

※前述のdraugsháttrも[7]で幽霊韻律と訳されるが、原文の名前が異なるため別の韻律形と考えられる

  • 以下では第二行と第四行で韻律が変わっている[7]
  • 一音節が加わることで語は長くなり、その音節の後に三つの音節がきている[7]
  • 行1 Flaust bjó folka treystir
  • 行2 fagrskjölduðustum öldum.
  • 行3 Leið skar bragnings bróðir
  • 行4 bjartveggjuðustu reggi.
  • 行5 Hest rak hilmir rasta
  • 行6 harðsveipaðastan reipum.
  • 行7 Sjár hlaut við þröm þjóta
  • 行8 þungfuðustu lungi.

bragarbót(詩の改善)

  • 以下では第一行と第三行で韻律が変わっている[7]
  • ここで韻脚(管理人注:句末の韻)はできるだけ前に立つが、韻は一音節がその間にくるように離される[7]
  • 行1 Stáls dynblakka stökkvi
  • 行2 stinngeðs samir minnask,
  • 行3 alms bifsæki aukum
  • 行4 Yggs feng, á lof þengils.
  • 行5 Odds bláferla jarli
  • 行6 örbrjót né skal þrjóta,
  • 行7 Hárs saltunnu hrannir
  • 行8 hrærum, óð at stæra.

riðhendur(揺れ韻、揺り韻)

  • 以下では第二行と第四行で韻律が変わっている[7]
  • 二つの音節が終わりに近く、いっしょにおかれるが、二つとも同じ母音を終わりにもつ[7]
  • 行1 Él þreifsk skarpt of Skúla
  • 行2 skýs snarvinda lindar,
  • 行3 egg varð hvöss í höggum
  • 行4 hræs dynbrunnum runnin.
  • 行5 Seimþreytir bjó sveita
  • 行6 snjallr ilstafna hrafni,
  • 行7 Páll varð und fit falla
  • 行8 fram þrábarni arnar.
Torf-Einars hátt(トルヴ・エイナルの韻律)
  • 以下では第一行と第三行に韻律が欠けているが、第二行と第四行に不完全韻と揺れ韻がみられる[7]
  • 行1 Hverr séi jöfra ægi
  • 行2 jarl fjölvitrum betra,
  • 行3 eða gjarnara at gæða
  • 行4 glym harðsvelldan skjalda?
  • 行5 Stendr at stála skúrar
  • 行6 styrr ólítill Gauti,
  • 行7 þá er folks jaðarr foldir
  • 行8 ferr sig-Njörðum varða.
Egils háttr(エギルの韻律)
  • 以下では第一行と第三行は韻律をもたないが、第二行と第四行に完全韻と揺れ韻がみられる[7]
  • 行1 Hverr ali blóði byrsta
  • 行2 bens rauðsylgjum ylgi,
  • 行3 nema svá at gramr of gildi
  • 行4 gráð dag margan vargi?
  • 行5 Gefr oddviti undir
  • 行6 egg nýbitnar vitni.
  • 行7 Herr sér fenris fitjar
  • 行8 framkló loðna roðna.

stamhendr háttr(どもり韻)

  • 以下では第一行と第三行で一音節が二度繰り返される[7]
  • 音韻は揺り韻(riðhendur)のように語の中に置かれる[7]
  • 行1 Lætr undin brot brotna
  • 行2 bragningr fyr sér hringa.
  • 行3 Sá tekr fyr men menja
  • 行4 mætt orð of sik fættir.
  • 行5 Armr kná við blik blikna
  • 行6 brimlands viðum randa,
  • 行7 þar er hönd, at lið liðnar,
  • 行8 lýslóðar berr glóðir.

veggjat(楔韻)

  • 以下では第二行と第四行で韻律が変わっている[7]
  • 一音節が最後の二語の前におかれ、そのため語の長さがふえる[7]
  • 行1 Lífs varð rán at raunum,
  • 行2 reið sverð, skapat mjök ferðum.
  • 行3 Stöng óð þrátt á þingi
  • 行4 þjóðsterk, liðu fram merki.
  • 行5 Hrauð, of hilmis bróður,
  • 行6 hvöss egg friðar ván seggjum,
  • 行7 spjót náðu blá bíta.
  • 行8 Búandmenn hlutu þar renna.

greppaminni(詩人の思い出)

  • 行1 Hverr fremr hildi barra?
  • 行2 Hverr er mælingum ferri?
  • 行3 Hverr gerir höpp at stærri?
  • 行4 Hverr kann auð at þverra?
  • 行5 Veldr hertogi hjaldri.
  • 行6 Hann er first blikurmanni.
  • 行7 Hann á höpp at sýnni.
  • 行8 Hann vélir blik spannar.

stúfar(不完全)

  • 以下の例では、第四行が不完全となっており、宮廷律で続けなければならない音節が省かれている[7]
  • 行1 Hjaldr-remmir tekr Hildi,
  • 行2 hringr brestr at gjöf, festa.
  • 行3 Hnígr und Högna meyjar
  • 行4 hers valdandi tjald.
  • 行5 Heðins mála býr hvílu
  • 行6 hjalmlestanda flestum.
  • 行7 Morðaukinn þiggr mæki
  • 行8 mund Hjaðninga sprund.
  • 以下の例では、第二行と第四行が不完全となっている[7]
  • 行1 Yggs drósar rýfr eisa
  • 行2 öld móðsefa tjöld.
  • 行3 Glóð stökkr í hof Hlakkar
  • 行4 hugtúns firum brún.
  • 行5 Geðveggjar svífr glugga
  • 行6 glæs dynbrími hræs,
  • 行7 hvattr er hyrr at slétta
  • 行8 hjaldrs gnapturna aldrs.
  • 以下の例では、全行が不完全となっている[7]
  • 行1 Herstefnir lætr hrafn
  • 行2 hungrs fullseðjask ungr.
  • 行3 Ilspornat getr örn
  • 行4 aldrlausastan haus.
  • 行5 Vilja borg en vargr
  • 行6 vígsára klífr grár.
  • 行7 Oft solgit fær ylgr,
  • 行8 jöfurr góðr vill svá, blóð.

完全韻(aðalhending[12]

  • 同じ母音(この場合は《o》)のあとに、同じ音(以下の場合は《fs》)がくる[6]
  • friðrofs, konungr, ofsa.
  • 完全韻を用いて綺麗に作られた詩形は、最も美しく洗練されたものになる[7]
  • at、ek、en、その他の小辞が押韻以外に現れない場合、完全韻は完璧なものになる[7]
þríhent(三押韻)
  • 以下では第二行と第四行目に三つの完全な押韻があり、すべてが同じ語尾を持つ[7]
  • 行1 Hristi hvatt, þá er reistisk,
  • 行2 herföng, mjök löng véstöng.
  • 行3 Samði folk, en frömðusk
  • 行4 fullsterk, hringserk, grams verk.
  • 行5 Hönd lék, herjum reyndisk,
  • 行6 hjörr kaldr, allvaldr mannbaldr.
  • 行7 Egg frá ek breiða bjoggu
  • 行8 bragning fylking, stóð þing.
rétthent(正韻)
  • 以下では第一行と第三行に完全韻がみられ、不完全韻は注意深く避けられている[7]
  • 行1 Alrauðum drífr auði;
  • 行2 ógnrakkr firum Hlakkar
  • 行3 veit ek hvar vals á reitu
  • 行4 verpr hringdropa snerpir.
  • 行5 Snjallr lætr á fit falla
  • 行6 fagrregn jöfurr þegnum,
  • 行7 ógnflýtir verr ýtum
  • 行8 arm, Mardallar hvarma.
inn dýri háttr(修辞的韻律)
  • 以下では第一行と第三行のはじめに二つの完全韻がある[7]
  • 行1 Vann, kann virðum banna
  • 行2 vald, gjald, höfundr aldar,
  • 行3 ferð verð folka herði
  • 行4 fest mest, sá er bil lestir.
  • 行5 Hátt þrátt, hölða áttar
  • 行6 hrauð auð jöfurr rauðum,
  • 行7 þat, gat þengill skatna
  • 行8 þjóð, stóð af gram, bjóða.
  • 以下では各行に三つの押韻があり、第一行と第三行に不完全韻がある[7]
  • 行1 Farar snarar fylkir byrjar,
  • 行2 freka breka lemr á snekkjum,
  • 行3 vaka taka vísa rekkar,
  • 行4 viðar skriðar at þat biðja.
  • 行5 Svipa skipa sýjur heppnar
  • 行6 sömum þrömum í byr römmum,
  • 行7 Haka skaka hrannir blökkum
  • 行8 hliðar. Miðar und kjöl niðri.
ラグナル・ロズブローク王の韻律
  • 以下では第一行と第三行は韻律をもたないが、第二行と第四行に完全韻がある[7]
  • 第二行と第四行の詩行を支配している頭韻が一つないし二つの音節をその前にもっていて、そのほかは宮廷律と同じである[7]
  • 行1 Skýtr at Sköglar veðri,
  • 行2 en skjaldagi haldask,
  • 行3 Hildar hlemmidrífu
  • 行4 of hvítan þröm rítar.
  • 行5 En í sæfis sveita
  • 行6 at sverðtogi ferðar
  • 行7 rýðr aldar vinr odda
  • 行8 þat er jarls megin, snarla.
kimblabönd(たば
  • 以下では、第四行の各半行で行の終わりに二音節の完全韻がついている[7]
  • 行1 Hjalmlestir skekr Hristar
  • 行2 hreggöld Sigars veggi.
  • 行3 Gramr lætr í byr brjóta
  • 行4 brands hnigþili randa stranda.
  • 行5 Stálhrafna lætr stefnir
  • 行6 styrvind of sik þyrja.
  • 行7 Þiggr at Göndlar glyggvi
  • 行8 gagn oddviti bragna sagna.
meira kimblaband(大きなたば
  • 以下では各半行に二つのたばがみられる[7]
  • 行1 Almdrósar skylr ísa
  • 行2 ár flest meginbára sára.
  • 行3 Kænn lætr hvatt á hrönnum
  • 行4 hjalmsvell jöfurr gella fella.
  • 行5 Styrjökla kná stiklir
  • 行6 stinnr mens legi venja benja.
  • 行7 Lætr stillir frár fylla
  • 行8 folk sund hjarar lunda unda.
mestu kimblabönd(最大のたば
  • 以下では、全ての行にたばが続く[8]
  • 行1 Hræljóma fellr hrími, tími
  • 行2 hár vex of gram sára ára,
  • 行3 frost nemr, of hlyn Hristar, Mistar
  • 行4 herkaldan þröm skjaldar aldar.
  • 行5 Gullsendir brýtr grundar Hrundar
  • 行6 gunnveggs stöfum leggi hreggi.
  • 行7 Sóknvallar, spyr ek, svelli, elli,
  • 行8 svá skotnar þat, gotna þrotna.

不完全韻(skothending[12]

  • 異なった母音と語頭子音をもつが、どちらも母音の後に同じ音(以下の場合は《r》)がくる[6]
  • jörð kann frelsa, fyrðum
  • 以下は全ての行に不完全韻がみられる[7]
  • 行1 Sær Skjöldungs niðr skúrum,
  • 行2 sköft, darraðar, lyftask,
  • 行3 hrindr gunnfana grundar
  • 行4 plygg of fræknum tyggja.
  • 行5 Geisa vé fyr vísa,
  • 行6 veðr stöng at hlym Gungnis,
  • 行7 styrk eru mót und merkjum
  • 行8 malms of ítran hilmi.
liðhendr(補助韻律、または部分韻)
  • 韻律の前に同じ音節がくる[7]
  • 以下では第二行と第四行にoddhending(行の最初の韻)があり、第一行と第三行に不完全韻をもつ[7]
  • 行1 Velr ítrhugaðr ýtum
  • 行2 otrgjöld jöfurr snotrum.
  • 行3 Oft hefir þings fyr þröngvi
  • 行4 þungfarmr Grana sprungit.
  • 行5 Hjörs vill rjóðr, at ríði
  • 行6 reiðmalmr Gnitaheiðar.
  • 行7 Vígs er hreytt at hættis
  • 行8 hvatt Niflunga skatti.
  • 以下では第一行と第三行で最初の音節をもつ[7]
  • 行1 Stjóri vensk at stæra
  • 行2 stór verk dunu geira,
  • 行3 halda kann með hildi
  • 行4 hjaldr-Týr und sik foldu.
  • 行5 Harri slítr í hverri
  • 行6 Hjarranda föt snerru.
  • 行7 Falla þar til fyllar
  • 行8 fjallvargs jöru þollar.
minni alhendur(小完全韻)
  • 二つの半詩行の最初の行に不完全韻がくる[7]
  • 行1 Samþykkjar fremr sökkvi
  • 行2 snarr Baldr hjarar aldir.
  • 行3 Gunnhættir kann Grótta
  • 行4 gldrift hra skipta.
  • 行5 Féstríðir kná Fróða
  • 行6 frbygg li tryggva.
  • 行7 Fjölvinjaðr hylr Fenju
  • 行8 falr meldr alinveldi.
munnvörp(即興韻)
  • 以下では第一行と第三行で韻律が欠けているが、第二行と第四行で不完全韻がみられる[8]
  • 行1 Eyddi úthlaupsmönnum
  • 行2 ítr hertogi spjótum.
  • 行3 Sungu stál of stillis,
  • 行4 stóð ylgr í val, dolgum.
  • 行5 Hal margan lét höfði
  • 行6 hoddgrimmr jöfurr skemmra.
  • 行7 Svá kann rán at refsa
  • 行8 reiðr oddviti þjóðum.

samhent(一致韻)

  • すべて同じ頭韻をもつ[7]
  • 以下の例では、第一行と第三行では宮廷律の不完全韻律のようにおかれている[7]
  • 行1 Virðandi gefr virðum
  • 行2 verbál liðar skerja.
  • 行3 Gleðr vellbroti vellum
  • 行4 verðung afar-þungum.
  • 行5 Ýtandi fremr ýta
  • 行6 auðs sæfuna rauðum,
  • 行7 þar er mætum gram mæti
  • 行8 marblakks skipendr þakka.
iðurmælt(反復)
  • [7]では下記のklifatも「反復」と翻訳
  • 以下では一致韻が三度、第一行と第三行で二回使われている[7]
  • 第二行と第四行では反響韻(前行の最後の語が次行の頭に繰り返される)と同じように、引き渡しとして残されている[7]
  • 行1 Seimþverrir gefr seima
  • 行2 seimörr liði beima.
  • 行3 Hringmildan spyr ek hringum
  • 行4 hringskemmi brott stinga.
  • 行5 Baugstökkvir fremr baugum
  • 行6 bauggrimmr hjarar drauga.
  • 行7 Viðr gullbroti gulli
  • 行8 gullhættr skaða fullan.
klifat(反復)
  • [7]では上記のiðurmæltも「反復」と翻訳
  • 以下では一致韻は半詩行全部をとおしてみられ、第二行と第四行の完全韻と結びつく[7]
  • 行1 Auðkenndr verr auði
  • 行2 auð-Týr boga nauðir.
  • 行3 Þar er auðviðum auðit
  • 行4 auðs í gulli rauðu.
  • 行5 Heiðmönnum býr heiðis
  • 行6 heiðmildr jöfurr reiðir.
  • 行7 Venr heiðfrömuðr heiðar
  • 行8 heiðgjöf vala leiðar.

Fleins háttr(フレインの韻律)

  • 以下では宮廷律のように詩行が並んでいるが、行のはじめに押韻がなされる[7]
  • 行1 Hilmir hjalma skúrir
  • 行2 herðir sverði roðnu,
  • 行3 hrjóta hvítir askar,
  • 行4 hrynja brynju spangir.
  • 行5 Hnykkja Hlakkar eldar
  • 行6 harða svarðar landi.
  • 行7 Remma rimmu glóðir
  • 行8 randa grand of jarli.

Braga háttr(ブラギの韻律)

  • 以下では、第一行と第三行において最後の語が押韻語として用いられるが、不完全韻をつくるそれより前の語が欠けている[7]
  • また第二行と第四行ではフレインの韻律形をとっており、補助韻律と不完全韻、または完全韻が用いられている[7]
  • このように一つの詩のなかにいくつかの韻律、あるいは韻律の欠落がみられることは、初期の作品のなかでは失敗とみなされることはないが、真似すべきことではない[7]

hrynjandi(流れ韻)

  • 流れ韻では一般に一行に八音節が来る[8]
  • 行1 Vafði lítt, er virðum mætti,
  • 行2 vígrækjandi fram at sækja.
  • 行3 Skerðir gekk í skúrum Hlakkar
  • 行4 Sköglar serks fyr roðnum merkjum.
  • 行5 Ruddisk land, en ræsir Þrænda
  • 行6 Ribbungum skóp bana þungan.
  • 行7 Gunnarr skaut und gera fótar
  • 行8 grimmsetta il hjarna kletti.
dróttkvætt hrynjandi(流れ宮廷律)
  • 以下では、第一行と第三行のはじめの二つの音節を取り去ると、残りは宮廷律と同じになる[8](※宮廷律は、一行六音節からなるのが基本)
  • さらに、第二行と第四行の第五と第六語を取り去ると、その行も宮廷律となる[8]
  • 押韻と頭韻が宮廷律と同じ場合、特に流れ宮廷律と呼ぶ[8]
  • 行1 Tyggi snýr á ógnar áru,
  • 行2 undgagl veit þat, sóknar hagli,
  • 行3 yngvi drífr at hreggi hlífa,
  • 行4 hjörr vélir fjör brynju éli.
  • 行5 Vísi heldr of fjörnis foldir,
  • 行6 folk, skiptir svá boga driftum,
  • 行7 skúrum lýstr of hilmi hraustan,
  • 行8 hans fregnum styr, Mistar regni.
trollsháttr(トロル韻律)
  • 以下では各行に八つの音節があり、すべての行に部分韻がきている[8]
    ※部分韻(liðhendr)とは「韻律の前に同じ音節がくること」[7]だが、以下の詩はそうなっていない。また原文ではこの部分は「hluthendur」となっているが、これは「行の最初に立つ韻が真ん中に立つ場合の呼び方」[6]であるため、ここでいわれる「部分韻」は「liðhendr」とは異なる可能性がある
  • また各半行に三音節がみられ、不完全韻と完全韻が流れ韻と同じになっている[8]
  • 行1 Stála kenndi stökkvilundum
  • 行2 styrjar valdi rauðu falda,
  • 行3 rekkar stýrðu rétt til jarðar
  • 行4 roðnu barði, austan fjarðar.
  • 行5 Oddum renndi eljunstrandir
  • 行6 ýta ferðar hringa skerðir.
  • 行7 Hilmir stærði hvössu sverði
  • 行8 heila grundar meginundir.

draughent(幽霊韻)

※名前は似ているが、前述の幽霊韻律(draugsháttrまたはflagðaháttur)とは異なると考えられる

  • この韻律ではふつう、各行に七つの音節がある[8](宮廷律は通常六つ)
  • 押韻と頭韻は宮廷律と同じ[8]
  • 第一行または第三行から、第一行のすぐ後にくる一音節が取り去られると、宮廷律と同じになる[8]
  • 第二行と第四行でも、同じ音節が取り去られると宮廷律と同じになる[8]
  • 行1 Vápna hríð velta náði
  • 行2 vægðarlaus feigum hausi.
  • 行3 Hilmir lét höggum mæta
  • 行4 herða klett bana verðan.
  • 行5 Fleina lands fylkir renndi
  • 行6 fjörnis hlíð meginskíði,
  • 行7 öflugt sverð eyddi fyrðum
  • 行8 jöfri kennt, holdi fennta.

háttlausa(無韻)

  • 韻律がないが、頭韻は宮廷律と同じ[8]
  • 行1 Ortak öld at minnum,
  • 行2 þá er alframast vissak,
  • 行3 of siklinga snjalla
  • 行4 með sex tögum hátta.
  • 行5 Sízt hafa veg né vellum,
  • 行6 er virðan mik létu,
  • 行7 á aldinn mar orpit,
  • 行8 þat er oss frami, jöfrar.

tögdrápulag(tögdrápuháttr)(征旅賛歌韻)

 ― drápa[3] 賛歌[3] [女][3]

  • 以下では第二行と第四行には四音節と二つの完全韻があり、宮廷律と同じように主頭韻がおかれている[8]
  • 第一行と第三行では四つの通常の音節と、第五の前接音節(ek、af、en、erのような音節)を持つ。それらはまた不完全韻と主音節と韻をあわせる一語をもつ[8]
  • 征旅賛歌韻では、最初の行に一つのリフレイン(折り返し)が来なければならない[8]
    • 詩の最後の行で内容が完結する[8]
    • 好きなだけの折り返しの分割をもって詩を構成するのが正しい[8]
    • 全てを同じ長さでつくるのが普通[8]
    • 各折り返しの分割では、すべて始めと終わりに折り返しが置かれなければならない[8]
  • 行1 Fremstr var Skúli
  • 行2 Skala lof dvala.
  • 行3 Sem ek mildum gram
  • 行4 mærð fjölsnærða.
  • 行5 Meir skal ek stæri
  • 行6 styrs hróðr fyrir,
  • 行7 kærr var ek harra,
  • 行8 hers gnótt bera.

töglag(tögmælt)(雄弁韻)

[8]では上記のtögdrápulagとともに征旅賛歌韻と訳されることもあるが、別の韻律形である

  • 以下の詩行の第二行と第四行は前の詩行と同じだが、第一行と第三行は押韻がなく、宮廷律と同じように二語が頭韻と音があっている[8]
  • 全ての雄弁韻において、そのいくつかが短く早いときは、一行に五つの音節があっても良い[8]
  • 行1 Kunn bjó ek kvæði
  • 行2 konungs bróður þjóð,
  • 行3 þann veit ek þengil,
  • 行4 þrenn fjölmennan.
  • 行5 Fram skal in fjórða
  • 行6 folkgls va
  • 行7 ljóss elds lagar
  • 行8 lofum friðrofa.

hagmælt(雄弁、雄弁韻)

  • 以下では第一行と第三行に不完全韻がある[8]
  • 宮廷律と同じような頭韻もみられる[8]
  • その他は雄弁韻(tögmælt)と同じ[8]
  • 行1 Mitt er of mæti
  • 行2 margt lag bragar
  • 行3 áðr ókvit
  • 行4 oddbraks spakan.
  • 行5 Hlýtr grams geta
  • 行6 greppr óhneppra
  • 行7 skýrr skrautfara.
  • 行8 skjöldunga ungr.

grænlenzki háttr(グリーンランド韻)

  • 以下では第一行と第三行はhagmælt(雄弁韻)と同じだが、第二行と第四行は完全韻を持つ[8]
  • そして二音節は完全韻をもち、二つとも同音で終わる[8]
  • 行1 Slóð kann sneiðir
  • 行2 seima geima
  • 行3 hnigfák Haka
  • 行4 hleypa greypa,
  • 行5 hinn er af hlunni
  • 行6 hesta festa
  • 行7 lætr leyfðr skati
  • 行8 langa ganga.

skammi háttr(短韻)

  • 以下では第一行と第三行に押韻はない[8]
  • 第二行と第四行はグリーンランド韻と同じで短い語を持つ[8]
  • 行1 Gull kná, greppar,
  • 行2 glóa, róa,
  • 行3 váss eru seggir
  • 行4 samir framir.
  • 行5 Eik má und jöfri
  • 行6 una bruna,
  • 行7 þá nýtr vísi
  • 行8 viðar skriðar.

nýi háttr(新しい韻律)

  • 以下では各行は四つの音節からなり、二つは完全韻で、二つとも同一音で終わる[8]
  • 前接語(ek、af、en、erのような音節)はない[8]
  • 行1 Ræsir glæsir
  • 行2 Rökkva dökkva
  • 行3 hvítum rítum
  • 行4 hreina reina.
  • 行5 Skreytir hreytir
  • 行6 skafna stafna
  • 行7 hringa stinga
  • 行8 hjörtum svörtum.

náhent(近接韻)

  • この詩形では一行に四つの音節がみられる[8]
  • 第一行と第三行では五つ音節があっても良いが、その場合は不完全韻である[8]
  • 第二行と第四行では完全韻があって、二つとも互いに近く、最初の語は切り詰められている[8]
  • 頭韻は宮廷律と同じ[8]
  • 行1 Hrinda lætr hniggrund
  • 行2 hafbekks snekkjur,
  • 行3 þá er falla, fleinþollr
  • 行4 frár, mál, stálum.
  • 行5 Hlumi lítr hergramr
  • 行6 hirðmenn spenna,
  • 行7 en ræði raungóð
  • 行8 rógalfs skjalfa.

stúfhent(切り詰め韻)

  • この韻律では一行に四音節があり、押韻と頭韻は宮廷律と同じである[8]
  • また全ての韻はnáhendar(近接韻)となっている[8]
  • 行1 Hafröst hristir
  • 行2 hlunnvigg tiggja,
  • 行3 borðgrund bendir
  • 行4 brimdýrs stýri.
  • 行5 B veit brjóta
  • 行6 byrskíð ði
  • 行7 böðharðr börðum
  • 行8 blungr þungan.

hnugghent(欠乏韻)

  • 以下では第一行と第三行で七つの音節があり、押韻はないが、頭韻はきちんとある[8]
  • 第二行と第四行は四つの音節をもち、頭韻はきちんとしており、不完全韻で、最初の音節に押韻があるが、最初の韻は切り詰められている[8]
  • 行1 Hrannir strýkva hlaðin borð,
  • 行2 haflauðr skeflir,
  • 行3 kasta ir kjalar stíg
  • 行4 kalt hlýr söltum.
  • 行5 Svörtum hleypir svana fjöll
  • 行6 snjallmæltr stillir
  • 行7 hlunna [fram] of Haka veg
  • 行8 hríðfelld skíðum.

alhnepptr(短縮)

  • 以下では一行に四つの音節がきて、二つが完全韻で、二つとも同じ音で終わる[8]
  • また全ての韻がhnepptar(短縮)になっている[8]
  • 行1 Hrönn skerr, hvatt ferr,
  • 行2 húfr kaldr, allvaldr,
  • 行3 lá brýtr, lög skýtr,
  • 行4 limgarmr, rangbarmr.
  • 行5 Brátt skekr, byrr rekr,
  • 行6 blán vegg, ráskegg.
  • 行7 Jarl lætr almætr
  • 行8 ósvipt húnskift.
hálfhneppt(半短縮)
  • この韻律では一行に六つの音節があるが、五音節か七音節になっても悪くない[8]
  • 第一行と第三行は不完全韻で、第二行と第四行は完全韻となっている[8]
  • 前の音節は宮廷律と同じだが、後の音節はstýfð(切り詰め)かhneppt(短縮)となっている[8]
  • 行1 Snyðja lætr í sólr
  • 行2 snekkjur á Manar hlekk,
  • 行3 árla sér, ungr jarl,
  • 行4 allvaldr breka fall.
  • 行5 Lyfta kná of liði oft
  • 行6 lauki of kjalar raukn;
  • 行7 greiða náir glygg váð.
  • 行8 Greipum ta dragreip.

Haðarlag(ホズ韻)

  • この韻律では一行に五つの音節があり、押韻と頭韻は宮廷律と同じ[8]
  • 行1 Læsir leyfðr si
  • 行2 landa útstrandir
  • 行3 blíðr ok blásðum
  • 行4 barða randgarði.
  • 行5 Ern kná jarl þyrna
  • 行6 oddum falbrodda
  • 行7 jörð með élsnærðum
  • 行8 jri hrænaðra.

runhendur(尾韻)

  • 尾韻は、二つの完全韻を二つの詩行にわたってもたなければならない[8]
rétt runhenda(標準的尾韻)
  • 以下では各行に同じ韻をもつ[8]
  • また押韻を分け、語を変える尾韻もある[8]
  • 行1 Lof er flutt fjörum
  • 行2 fyr gunnörum,
  • 行3 né spurð spörum
  • 行4 spjöll, gram snörum.
  • 行5 Hefi ek hans förum
  • 行6 til hróðrs görum
  • 行7 yppt óvörum
  • 行8 fyr auðs börum.
  • 以下も、完全な尾韻をもってつくられている[8]
  • ふつう尾韻は一行に五音節が用いられるが、以下のように六音節を用いても良い[8]
  • 行1 Naðrs gnapa ógn alla
  • 行2 eyðis baugvalla
  • 行3 hlunns of hástalla
  • 行4 hestar svanfjalla.
  • 行5 Orms er glatt galla
  • 行6 með gumna spjalla,
  • 行7 jarl fremr sveit snjalla.
  • 行8 Slíkt má skörung kalla.
  • 以下の尾韻では韻律が征旅賛歌韻からとられている[8]
  • また(ふつう尾韻は一行に五音節が用いられるが)、以下では一行に四つの音節、急ぐときは五音節がおかれる[8]
  • 行1 Veit ek hrings hraða
  • 行2 í höll laða,
  • 行3 gott er hús Hlaða,
  • 行4 hirð ölsaða.
  • 行5 Drekkr gramr glaða,
  • 行6 en at gjöf vaða
  • 行7 vitar valstaða,
  • 行8 vandbaugskaða.
minni runhenda(小尾韻)
  • 以下では韻は半詩行をつうじてみられ、次の半詩行には別の韻がみられる[8]
  • この詩行では前のものからstýðr(切り詰め)、あるいはhnepptr(短縮)されている[8]
  • 行1 Fluttak fræði
  • 行2 of frama græði,
  • 行3 tunga tæði,
  • 行4 með tölu ræði.
  • 行5 Stef skal stæra
  • 行6 stilli Mæra,
  • 行7 hróðr dugir hræra,
  • 行8 ok honum færa.
  • 以下ではhnepptr(切り詰め。短縮?)がされている[8]
  • 行1 Drífr handar hlekkr,
  • 行2 þar er hilmir drekkr.
  • 行3 Mjök er brögnum bekkr
  • 行4 blíðskálar þekkr.
  • 行5 Leikr hilmis her
  • 行6 hreingullit ker,
  • 行7 segi ek allt sem er,
  • 行8 við orða sker.
  • 以下も小尾韻で、hálfhnefstum(半短縮)またはnáhendum(近接韻)からとられている[8]
  • 行1 Þengill lætr höpp hresst,
  • 行2 honum fylgir dáð mest,
  • 行3 vísi gefr vel flest
  • 行4 verbál ok ólest.
  • 行5 Húfar brutu haf ljótt,
  • 行6 heim lét ek jöfur sótt,
  • 行7 Yngva lofar öll drótt,
  • 行8 jarls sá ek frama gnótt.
minnsta runhenda(最小の尾韻)
  • 以下では一行に三つの音節がみられる[8]
  • 二行毎に分割された押韻をしており、頭韻は宮廷律と同じ[8]
  • リズムを支配する母音が語のはじめに一度しか立たたなくても悪くないと考えられる[8]
  • 行1 Slíkt er svá,
  • 行2 siklingr á,
  • 行3 öld þess ann,
  • 行4 orðróm þann,
  • 行5 jarla er
  • 行6 austan ver
  • 行7 skatna skýrstr
  • 行8 Skúli dýrstr.
  • 以下は、前の尾韻からhnepptr(切り詰め。短縮?)られている[8]
  • 各行に四つの音節がくる[8]
  • そして主音節は宮廷律と同じで、それに一つの副音節がくる[8]
  • 行1 Mærð vilk auka
  • 行2 Mistar lauka
  • 行3 góma sverði
  • 行4 grundar skerði.
  • 行5 Dýrð skal segja,
  • 行6 drótt má þegja,
  • 行7 styrjar glóða
  • 行8 stökkvi-Móða.
  • 以下の尾韻は宮廷律からとられており、宮廷律と同じ数の音節と頭韻がみられる[8]
  • 行1 En þá er hirð til hallar
  • 行2 hers oddviti kallar,
  • 行3 oft tekr jarl at fagna
  • 行4 við ótali bragna,
  • 行5 búin er gjöf til greizlu
  • 行6 at gullbrota veizlu.
  • 行7 Þröngt sitr þðar sinni,
  • 行8 þar er mestr frami inni.

Fornyrðislag(古譚律)

  • 全部で四行の長行の真ん中に切れ目があり、半詩節に分けられる[1]
  • 各長行は二つの短行からなり、最初の短行をAnvers、後半の短行をAbversと呼び、頭韻で結ばれる[1]
  • 各短行は通常、四音節、たまに五音節からなり(長音節として単音節扱いすることが多いので)、そのうち二音節は強勢をもち、他の二音節は弱勢からなり、交互に配されており独特のリズムを形作る[1]

Málaháttr(談話律)

  • fornyrðislag(古譚律)に似た韻律だが、談話に適し、ごく限られた2、3の歌謡に使用されるのみ[1]
  • 行1 Munða ek mildingi,
  • 行2 þá er Mæra hilmi
  • 行3 fluttak fjögr kvæði,
  • 行4 fimmtán stórgjafar.
  • 行5 Hvar viti áðr orta
  • 行6 með æðra hætti
  • 行7 mærð of menglötuð
  • 行8 maðr und himins skautum?

Ljóðaháttr(歌謡律)

  • fornyrðislag(古譚律)よりも不規則な韻律で、神話詩や確言詩に多く使用される[1]
  • 行1 Glöggva grein
  • 行2 hefi ek gört til bragar;
  • 行3 svá er tírætt hundrað talit
  • 行4 Hróðrs örverðr
  • 行5 skala maðr heitinn vera,
  • 行6 ef svá fær alla háttu ort.

Bálkarlag(バルク律、バルカ律)

  • 古譚律では第二行と第四行は行の真ん中に頭韻音がくるが、バルカ律ではstuðlar(分詩節)と押韻音は宮廷律と同じように(行の頭に)立つ[8]
    • 行1 Lyfta ek ljósu
    • 行2 lofi þjóðkonungs.
    • 行3 Upp er fyr ýta
    • 行4 jarls mærð borin.
    • 行5 Hverr myni heyra
    • 行6 hróðr gjöflata
    • 行7 seggr svá kveðinn
    • 行8 seims ok hnossa?

    Starkaðarlag(スタルカズ律)

    • 行1 Veit ek verðari
    • 行2 þá er vell gefa,
    • 行3 bröndum beita
    • 行4 ok búa snekkjur,
    • 行5 hæra hróðrar
    • 行6 en heimdrega,
    • 行7 unga jöfra,
    • 行8 en auðspöruð.

    Galdralag(呪文律)

    • 行1 Sóttak fremð,
    • 行2 sóttak fund konungs,
    • 行3 sóttak ítran jarl,
    • 行4 þá er ek reist,
    • 行5 þá er ek renna gat
    • 行6 kaldan straum kili,
    • 行7 kaldan sjá kili.

    参考文献