フロールヴ(ロルブ)・クラキ

Hrólfr kraki[9]

原典版

登場する文献と役割

詩語法

  • デンマークの王。物惜しみなさ、勇気、人好きのよさから古代の王のうち最も優れた者といわれる[2]
  • 年若い頃、ほっそりとした姿をしていたため、ヴェッグという貧しい少年にクラキ(棒)と呼ばれた。それ以降フロールヴ・クラキと名乗る。名付けには贈り物が伴うのが普通であるが、ヴェッグは何も持っていなかったため、逆にフロールヴ王が彼に腕輪を与えた[2]
  • 母のユルサは、ウプサラを支配していたアジルス王の妻である。つまり、フロールヴ王はアジルス王の義理の息子にあたる[2]
  • 義理の父であるアジルス王がノルウェーのアーリ王との合戦に臨む際に加勢を依頼されるが、そのとき自身はザクセン人との間で戦争状態だったため赴くことができず、代わりに一二名の狂暴戦士を送った。しかしアジルス王は約束していたはずの報酬を一切支払わなかったため、狂暴戦士らと共にアジルス王のいるウプサラに赴き、母ユルサに迎えられ宿を訪れる。母ユルサに黄金でいっぱいの野獣の角と腕輪スヴィーアグリスを託され、馬に乗りフューリルの野を駆けて本隊に戻ろうとするが、アジルス王が人々を引き連れてフロールヴらを追いかけてきた。フロールヴが黄金を辺りにばらまくと人々はそれを拾うために足止めされた。またアジルス王が目前に迫ってきた時、スヴィーアグリスを投げ、拾わせた。それを見てフロールヴは、スウェーデンで最も権威ある者をはいつくばらせてやったと言い残し、去った。ここから、黄金は「クラキの種」「フューリルの野の種」と呼ばれるようになった[2]

ケニング

フロールヴの名に関連するケニング

    黄金を表すケニング

    • sáð Kraka[9] クラキの種[2] (sá 種を蒔く)[3]
    • クラキの輝く麦[2]

参考文献

  • [2] 谷口幸男(1983)「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』(特輯号第43巻3号)p.1~122,広島大学文学部
  • [3] 下宮忠雄・金子貞雄(2006)『古アイスランド語入門―序説・文法・テキスト・訳注・語彙』大学書林
  • [9] Guðni Jónsson (ed.), Eddukvaeði,Íslendingasagnaútgáfan (1954) (http://www.heimskringla.no/wiki/Skáldskaparmál)2018年3月30日アクセス.

公開日:2019/02/08

最終更新日:2020/01/12

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