Hvergelmir[1][3] 沸き立つ鍋[1]、あわ立つ釜[3] [男][3]
― hverr[3] 熱泉、温泉[3] [男][3]
原典版
概要
- 霧の国の泉[3]
登場する文献と役割
グリームニルの歌
ギュルヴィたぶらかし
- ニヴルヘイムの真ん中にある泉の名。そこからさまざまな名の川が流れているという[1]
- ユグドラシルを支える三つの根のうちの一つはニヴルヘイムに伸びているが、その根の下にはフヴェルゲルミルがいて※、ニーズヘグが下からその根をかじっている[1]
※この箇所は、[1]ではフヴェルゲルミルを人物のように扱っており、原文もok undir (中略) er Hvergelmirとなっており、この箇所だけで見れば人物名と受け取ることはできる。が、数節前ではフヴェルゲルミルは泉の名前として出ているため、フヴェルゲルミルがあり、と訳すほうがスムーズであるように思われる - 誰も数え上げることができないほどたくさんの蛇がニーズへグと一緒にフヴェルゲルミルにいて、ユグドラシルの根を噛んでいる[1]
- ヴァルハラにいるエイクスュルニルと呼ばれる牡鹿の枝角からおびただしい滴がしたたり落ちており、それが下のフヴェルゲルミルに流れ入って、そこから多くの川が流れ出ている[1]
- 天と地と全世界が焼け、神も戦士も人々も残らず死んだその後に人々が住む場所のうちの一つに数えられる。ここにはニーズへグがおり、死者を責め苛む[1]
フヴェルゲルミルから流れ出る川の一覧
※巫女の予言で記載される名称は巫、ギュルヴィたぶらかしで記載される名称はギで記載
宝の周りを流れている、あるいはアース神の国を巡って流れている川
- 巫ギVíð[1][12][13](ヴィーズ[1]) 幅広きもの[1] (víða 広く [副] 英語のwideに相当)[3](víðr 広い [形])[3]
- 巫ギVin[1][12][13](ヴィン[1]) 牧場?語義不明[1]
- 巫ギEikin[1][12][13](エイキン[1]) 荒れ狂うもの[1]
- 巫ギGipul[1][12][13](ギプル[1]) 吼ゆるもの、口をあけるもの。ゲプルの同義語[1] (gapa 口を(ぽっかり)開ける)[3](geyja 吠える)[3]
- 巫ギGráð[1][12][13](グラーズ[1])
- 巫ギGunnþró[1][12][13](グンスロー[1]) ギGunnþrá[12](グンスラー[1]) 戦にはやるもの[1] (gunnr 戦い [女])[3](Þrór 促進者)[1]
- 巫Gunnþorin[1][13](グンソリン[1]) 戦にはやるもの[1] ギGunnþráin[12](グンスラーイン[1])(Þorinn 無鉄砲者)[1]
- 巫ギGeirvimul[1][12][13](ゲイルヴィムル[1]) 槍の密集するもの[1] (geirr 槍 [男])[3]
- 巫ギGǫpul[1][13]、Göpul[12](ゲプル[1]) 吼ゆるもの、口をあけるもの。ギプルの同義語[1]
- 巫ギGǫmul[1][13]、Gömul[12](ゲムル[1]) 古い河床[1] (gamall 老いた、古い [形])[3]
- 巫ギSíð[1][12][13](シーズ[1]) ゆっくりしたもの[1]
- 巫ギSvǫl[1][13]、Svöl[12](スヴェル[1]) ギSvöl[12](スヴァル[1]) 冷たきもの[1] (svalr 冷たい [形])[3]
- 巫ギÞyn[1][12][13](スュン[1]) たぎるもの[1]
- 巫ギSœkin[1][12][13](セーキン[1]) 急ぎ進むもの[1]
- 巫ギÞǫll[1][13]、Þöll[12](セル[1]) ふくれるもの[1]
- 巫ギFimbulþul[1][12][13](フィムブルスル[1]) 激しく沸きかえるもの[1] (fimbul 恐ろしい)[3]
- 巫ギFiǫrm[1]、Fiorm[13]、Fjörm[12](フィヨルム[1]) せっかちもの[1]
- 巫ギHǫll[1][13]、Höll[12](ヘル[1]) 斜めに落ちるもの[1]
- 巫Rín[1][13](リーン[1]) ライン河[1]
- 巫Rennandi[1][13](レナンディ[1]) 走るもの[1] (renna 走る [自])[3]
人間たちの近くを流れ、やがてヘルに注ぎ入れる川
- 巫Ván[13](ヴァーン[1])
- 巫ギVíð[1][12][13](ヴィーズ[1]、あるいはヴィール?[1]) 怪狼フェンリルの涎からできた川[1]
- 巫ギVína[1][12][13](ヴィーナ[1]) ワインの川[1] (vín ワイン [中])[3]
- 巫ギVegsvinn[1][12][13](ヴェグスヴィン[1]) 流れに引きずり込むもの[1]
- 巫Vǫnd[1][13](ヴェンド[1]) 厚かましきもの[1]
- 巫ギGiǫll[1]、Gioll[13]、Gjöll[12](ギョル[1]
- 巫ギÞióðnuma[1][13]、Þjóðnuma[12](スィヨーズヌマ[1]) 人を呑みこむもの?[1]
- 巫Strǫnd[1][13](ストレンド[1]) 縁、岸?[1]
- 巫ギSylgr[1][12][13](スュルグ[1]) 呑み込むもの[1]
- 巫ギSlíð[1][13]、Slíðr[12](スリーズ[1]) 恐るべきもの[1]
- 巫ギNyt[1][12][13](ニュト[1]) 乳色のもの[1]
- 巫Nǫt[1][13](ネト[1]) 刺すもの[1] ギNöt[12](ナウト[1])
- 巫ギNǫnn[1][13]、Nönn[12](ネン[1]) 大胆なもの[1]
- 巫ギHríð[1][12][13](フリーズ[1]) 荒れ狂うもの[1]
- 巫ギHrǫnn[1][13]、Hrönn[12](フレン[1]) 波[1] (エーギルの娘たちのなかに同名の娘(浪の擬人化)がいる)
- 巫ギYlgr[1][12][13](ユルグ[1]) 牝狼[1]
- 巫ギLeiptr[1][12][13](レイプト[1]) 稲妻[1]
トールがユグドラシルのもとへ判決を下しに行くときに渡る川
- 巫ギǪrmt[1][13]、Örmt[12](エルムト[1]) 支流(腕)に分かれるもの[1]
- 巫ギKǫrmt[1][13]、Körmt[12](ケルムト[1]) 守り?[1]
- 巫ギKerlaug[1]、Kerlaugar[12](ケルラウグ[1]) 行水?[1] (laug 入浴、温泉 [女])[3]