Týr[3][9][12][13](テュール[23]、ティール[32]、チュール[1][2][6][7][10][25]、チル[26]) 神[3]
独語Ziu[27](チウ[27])
原典版
概要
- 軍神の名。ルーネ文字 ᛏの名でもある。碑文にはよくまたはと重ねて彫られている[1]
- ヴァイキングの戦争の神[32]
- 神々がフェンリルを縛り付ける際に狼の口の中に代償として片腕を差し込んでいた為、片腕を失った[1]
- デュメジルの三機能説では、最上に荒ぶる神と掟の神という主権を表す二面の神がおり、荒ぶる神がオーディンで、掟の神がテュールとされている。二番目に戦士的な神がおり、そこにトールがあてはまるとされている。三番目には農民の神があてはめられるという[23]
ヒュミルの歌
- ヒュミルの子。祖母は九百の頭を持つ怪物で、チュールのことを嫌っていた。神々が酒宴をする鍋を手に入れるため、トールと共にヒュミルの館を訪れた。その際ヒュミルの醸造鍋を二度動かそうとしたが、二度ともびくともしなかった[1]
ロキの口論
- エーギルが開催した酒宴に参加する[1]
- フェンリル狼が縛られたとき、右腕をかみ切られた[1]
- チュールの妻はロキと寝て子供を作ったが、チュールはその賠償を一ペニングルも請求することができなかった、とロキに侮辱された[1]
シグルドリーヴァの歌
ギュルヴィたぶらかし
- アース神の中で最も大胆な神と考えられており、戦において勝敗を決めることもしばしばあるため、戦士に祈願される。他の人より強くて何者をも恐れない者を、チュールのように強いと表現することがある。またチュールは非常に賢いため、賢い人のことをチュールのように賢い、と表現することがある[1]
詩語法
- 英語Tuesday[25][27] チュールの日[25]
- 独語Diens-tag[27](ディーンス・ターク[27]) 火曜日[27] [男][27] ゲルマン戦の神チウ(Ziu)から由来する。同じDで始まる木曜日と近い関係がある。一般には幸運の日とされ、チウが裁きを行ったことから、裁判、契約、結婚式に選ばれる日となった[27]
テュール(Týr)は「神そのもの」を表す語であるため[3]、別の神を示す言葉としても用いられる。
オーディンの別名
- sig-Týr[9] 勝利のチュール[2] (sigr 勝利 [男])[3] hanga-Týr[9](ハンガチュール) 吊されたチュール[2]、吊されし神[2]
- Farmatýr[1][13]、farma-Týr[9](ファルマチュール[1]) 船荷の神[1]、船荷神チュール[2]、荷のチュール[2]
- Fimbultyr[1](フィムブルチュール[1]) 偉大で崇高な神[1] [男][3] (fimbul 恐ろしい)[3]
- Hroptatýr[13](フロプタチュール[2]、フロプタチュール[1]) (Hróptr 魔術を行う者 [男])[3]
- reiðar-Týr[9] 車のチュール[2] (reiði[9] 船や馬の装備[2])
- Hertýr[9] 軍勢のチュール[2]
- ガウトのチュール[2]
参考文献
新釈北欧神話版
第一章
オーディンの第二子。
岩の巨人族系アース神族・リンドとの間の子。
腹違いの兄ホドに強い憧れを抱いており、いつか追いつくことを夢見ている。