Högni[9][16][22]、Hǫgni[13](ホグニ[2][7][16][18]、ヘグニ[1])
原典版
概要
- エスターイェトランドの王。娘にヒルドとシグルーンがいる[1]
- ヒルドの父で、ヒャズニングの戦いの一方の大将。サクソの第五書によると、ホグニ(Høginus)はユラン人の小王(Iutorum regulus)で<平和の>フロージの副王だったが、他人の言うことを信じやすいたちで、娘とヘジンが正式の結婚手続きを経ずに一緒になったという偽りの話に怒り、若い婿を攻撃し、「フロージの平和」を破った。が、未成年の者を殺すことを恥としてヘジンの命を助け、再び七年後Hithinsø(ヘジン島)で相会し、両人ともに倒れたという[16]
- ホグニ・エイステインスソン[18]
フンディング殺しのヘルギの歌Ⅰ
フンディング殺しのヘルギの歌Ⅱ
- 王の名。娘に、ヴァルキューレのシグルーンがいる[1]
- フンディング王の追跡を逃れたヘルギがハガルの屋敷に匿われた際、女奴隷の姿をし、身分をシガルとホグニの妹であると偽った[1]
- ヘズブロッドに、ヘルギとの間の戦の助勢を頼まれる。息子のブラギとダグと共に参戦するが、死亡する[1]
グリーピルの予言
シグルズの歌 断片
シグルズの短い歌
ニヴルング族の殺戮
- (前詩『ブリュンヒルドの冥府への旅』の後)ファーヴニルの遺産の黄金を残らず手に入れ、指輪アンドヴァラナウトも手に入れた。ところがその後彼らギューキ一族とアトリとの間に不和が生じたため、アトリにグズルーンを嫁がせることで折り合いをつけることになり、彼女がアトリとの結婚に同意する前に忘れ薬を飲ませた。自身はコストベラを妻にし、間にソーラル、スネーヴァル、ギューキをもうけた。その後アトリ王のもとに招待され、心臓を切り取られて死亡した[1]
グズルーンの歌Ⅱ
グズルーンの歌Ⅲ
オッドルーンの歎き
グリーンランドのアトリの歌
- グンナルの弟。グズルーンの兄。アトリに誘われたグンナルに対し、アトリの国に赴くことは危険であると警告した。結局グンナルはアトリのもとに向かい、捕らえられてしまった。そのときヘグニはグンナルを守って戦い、八人もの敵を殺してみせた。そして生きたまま心臓をえぐられたが、笑って涙一つ流さなかった。その後グズルーンがアトリを殺害し、兄たちの仇を討った[1]
グリーンランドのアトリの詩
- グズルーンの兄。アトリの招待を受けて了承したところ、妻のコストベラから警告を受けたが、邪推だといって心配しなかった。そして息子であるスネーヴァルとソーラルを伴って、グンナルと共にアトリの国に出立した。ブズリの館の前に到着したとき、同行していたヴィンギが館に近づくのは危険だと警告してきたのを、突き飛ばして打ち殺した。アトリらとの戦いにおいてほかのニヴルングの一族と共に息のある限り戦ったものの、最終的には捕らえられ、心臓を抉り出されたが、高笑いをして、苦痛によく耐えたという。その後に行われたグンナルとヘグニの葬儀における宴の場で、ヘグニの子であるフニヴルングがグズルーンとともにアトリを討った[1]
グズルーンの扇動
ハムジルの歌
ヒュンドラの歌
詩語法
- ギューキ王とグリームヒルドの間の息子。ニヴルング族の一人。鴉のように黒い髪色をしている。シグルズと兄弟の誓いを立てる。グンナルの妻にブリュンヒルドをもらい受けるため、シグルズとグンナルと共に、ブリュンヒルドの兄であるアトリの元へ向かう。あるときシグルズの妻グズルーンがブリュンヒルドに影武者の件をばらしたことにより、ブリュンヒルドにシグルズ殺害をけしかけられるが、シグルズとの間に兄弟の誓いを立てていたためシグルズを手に掛けることは出来ず、弟のゴットホルムにシグルズを殺させた。そして、グンナルと共にシグルズの持っていたファーヴニルの遺産とアンドヴァリの腕輪を手に入れ、国を支配した。その後、未亡人となったグズルーンをめとったアトリ王がグンナルとホグニを自分の所へ招待したため、二人は前もってファーヴニルの遺産をライン河に沈めて赴くが、アトリ王との戦いに敗れ、生きたまま心臓を切り取られて死亡した。その後、ホグニの子がグズルーンと共にアトリ王を殺害し復讐を果たした[2]
- ホルクヴィルという馬に乗る[2]
- 王の名。王の集会に赴くため祖国を留守にしていた隙にヘジンという他国の王に攻め入られ、娘のヒルドを捕虜として連れ去られる。すぐに後を追いハーエイでヘジン王に追いつく。そこで再会したヒルドが、ヘジン王の和解の意志をホグニに伝えたが、ホグニはそれを拒否した。結局ヘジン王との間にヒャズニンガヴィーグという戦を始め、小人に作らせたダーインスレイヴという刀を持って一日中戦うが、夜になるとヒルドが戦死者を魔法で起こすため、王達は翌日もその翌日も戦い続け、その戦いはラグナロクまで続くと言われている[2]
ユングリンガサガ
- ソルヴィ王の父。ニャルズエイを治める[18]
- ヒルドとヒルディルの父。インギャルド王との戦への援軍として、グランマル王のもとへ息子と共に馳せ参じた[18]
- ウップランドのエイステイン王の息子。<誇り高いグズレーズ>の子オーラヴが弟のハルヴダンとともにヴェストフォルドを支配していたころ、全ヘイズマルクとソートゥンとハザランドを支配していた[18]
ソルリの話とヘジンとホグニのサガ
- デンマーク王ハールヴダンとその妻大フウェズナとの間に生まれた息子の名。兄弟にハーコンがいる。掠奪行からの帰りでオージンセイの近くで停泊していたところ、<強者>ソルリから、父ハールヴダンを殺害した旨を告げられ、それと同時に和解の申し出があったものの断り、相戦うこととなる。その戦いで兄弟のハーコンを失ったものの、ソルリの父エルリングを殺した。それからソルリと剣を交えて打ち倒すが、その傷を手当てさせ、二人の間には盟友の誓いがなされた。その後ソルリが東海路で戦死したことを耳にすると、同じ夏に東海路で掠奪をおこない、至る所で勝利を得て、その地域の王となり、20人の副王を従えた。そしてその名は、北のフィンの国から南のパリーまでよく知られることとなった[16]
- あるときヘジンが自国に訪れたことを耳にすると、彼を豪華な宴に招いた。そこでヘジンの旅の目的が自分たち二人の勇敢や度胸、技とあらゆる才芸を競べることにあると聞き、早速様々な競技で技競べをしたところ、どちらが勝っているか相違を見いだすことが出来ないほどであった。そこで二人は盟友の誓いを立て、あらゆる物をたがいに半分ずつ分け合うことにした[16]
- <狼皮の>ヘイズレクの息子ヒョルヴァルズの娘ヘルヴォルを妻にしていた。彼女との間にヒルドという一人娘がおり、非常に愛していた。しかしヘジンに王国を預けて掠奪に出かけたところ、ゴンドゥルにより正気を失わされたヘジンにより妃は殺され、娘のヒルドと軍船<ハールヴダンの贈物>を奪われてしまう。そこで家来たちと共にハーという島までヘジンを追いかけたところ、ヘジンの口から、自身の悪意からではなく邪な予言とわるい呪いによってこのような悪事を働いてしまったと説明を受けたものの、和解には応じず、結局互いに戦い殺し合うことになった。ところが彼らにはオージンに命じられたゴンドゥルによって甚だ大きな魔力と悪意による呪いがつけられていたため、何度切り裂かれても再び立ち上がって戦いあった[16]
- あるときハー島にオーラーヴ王の従臣<光の>イーヴァルがやってきて、ヘジンの求めによりホグニとヘジンの戦いについてくることを了承する。そこでホグニはヘジンに殺され、ヘジンを含めた両軍の全てをイーヴァルが殺し、実に140と3年の年月の長きにわたったこの戦いに終止符がうたれた[16]