ユグドラシル(イグドラシル、イグドラーシル)

– 目次 –

原典版

登場する文献と役割

ケニング

参考文献

新釈北欧神話版


Yggdrasill[1][3][13](ユグドラシル[1][3]、イグドラシル[26]、イグドラーシル[25]) オーディン神の馬[15] [男][3]
 ― Yggr[3] オーディンの異名[3]
 ― drasill[3] 馬[3]

原典版

概要

  • あらゆる樹のうち最も大きいもので、三つの根をヘル巨人の国人間界に張っている[1]
  • 宇宙樹[3][26]。宇宙を支えているトネリコの木。オーディンはこの木の頂上から九つの世界を見渡している[3]
  • 巫女の予言におけるmjǫt-viðr(世界樹)(宇宙樹 [男])[3]はYggdrasillと同じと考えて差し支えない[1] (mjot- 正しく測定された)[3](viðr 森、木、背の低い白樺の木 [男])[3]
  • オーディンはこの樹に九日間我が身を吊し、ルーネ文字を読み取ったとされる[1]

巫女の予言

  • 太古から存在し、九つの世界、九つの根を地の下に張りめぐらせている[1]
  • トネリコの大樹。谷に降りる露は、この大樹からきている[1]
  • この樹の下にある海(あるいは館?)から、ウルズヴェルザンディスクルドの三人の物織りの娘がやってきて人の子らに運命を告げる[1]
  • この樹の下に、ヘイムダルの角笛が隠されている[1]
  • やがてスルトの身内に飲み込まれる[1]

グリームニルの歌

  • 樹のうち最高のもの[1]
  • ユグドラシルの下からは、三方に三つの根が出ている。一つの根の下にはヘルが住み、一つの根の下には霜の巨人らが、三つ目の根の下には人間たちが住む[1]
  • ユグドラシルの上にはラタトスクというリスが駆け回り、鷲のことばを上から、下のニーズヘグに伝える[1]
  • ダーインドヴァリン、ドゥネイル、ドゥラスロールという四頭の牝鹿が、ユグドラシルの枝から若芽をむしって食べている[1]
  • ゴーイン、モーイン、グラーバク、グラフヴェルズ、オヴニル、スヴァーヴニルという蛇が、ユグドラシルの枝を噛んでいる[1]
  • ニーズヘグはユグドラシルの下のほうを噛んでいる[1]

ギュルヴィたぶらかし

  • ※ギュルヴィたぶらかしでは「ユグドラシル」という名称ではなく、単純に「askur(トネリコ)」と表記されていることが多い
  • トネリコの大樹ユグドラシルのそばで神々は毎日裁きをすることになっている[1]
  • ユグドラシルはあらゆる樹の中でいちばん大きく大事なもので、枝は全世界の上にひろがっている。三つの根が樹を支えていて、一つはアース神のところ(ウルザンブルン)、もう一つの根は霜の巨人のところ(ミーミルの泉)、三つ目がニヴルヘイムフヴェルゲルミル)の上に伸びている[1]
  • トネリコの下の泉のそばにある美しい館にはウルズヴェルザンディスクルドがおり、人間の寿命を決める[1]
  • トネリコの枝には一羽の鷲がとまっていて、何でもよく知っている。そしてその鷲の両眼の間にはヴェズルフェルニルという鷹がいる[1]
  • トネリコの上をラタトスクというリスが駆けまわり、鷲とニーズへグの間を悪口を運んで上下する[1]
  • ダーインドヴァリン、ドゥネイル、ドゥラスロールという四頭の牝鹿がトネリコの枝の間を駆け回り、葉を食いちぎる[1]
  • 誰も数え上げることができないほどたくさんの蛇がニーズへグと一緒にフヴェルゲルミルにいて、ユグドラシルの根を噛んでいる[1]
  • ウルズの泉のほとりに住むノルニルは毎日泉から水を汲み、トネリコに注いで、枝が枯れたり腐ったりしないようにしている[1]
  • ユグドラシルは樹のうちで最高のものといわれる[1]
  • 大地のはしばみ[2] [9]-79.(322)

参考文献


新釈北欧神話版

第一章

世界の中心の、かつてギンヌンガガプがあった場所にそびえ立つ大樹。新世界の誕生と共に姿を現した。九本の根を世界中に張り巡らせる。
アースガルドに向かって伸びた根の先には、巫女が住まうウルダブルンがあるとされる。

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