ロキ

※当記事には『新釈北欧神話』におけるネタバレが反転して記載されています


Loki[1][3][9][13](ロキ[2][3][10]) 閉じる者[1]、終える者[1] [男][3]

原典版

概要

  • 死の神(O・ショーニング、H・シュック、F・R・シュレーダー)[1]
  • 文化英雄(フォン・デル・ライエン、A・オルリク・Mカロック)[1]
  • キリスト教のルチファルの北欧形態(S・ブッゲ)[1]
  • 世界の終末をもたらす神(W・ゴルター、E・モーク、F・ヨーンソン)[1]
  • logi(火)に関連づけて、火の神、天の火、稲妻に関連がある(V・リュドベルイ)[1]
  • 夏の暑熱、かまどの火、火山の火に関連がある(E・H・マイヤー)[1]
  • 神々の世界に難事を持ち込んでは火消し役をつとめさせられる、神々の中のメフィスト[1]
  • 火の擬人化。本来火の妖精だったものがアース神と関係をもつようになり、あるときは神々を助け、あるときは神々に災いをふりまく存在となり、次第に悪や禍いの破壊的な面を強くしていった[1]
  • Odinと兄弟を誓い、神々の一員に加わるが、種々の悪事を働く[3]

巫女の予言

  • バルドル死亡後、ロキに似たものが温泉の森に縛られ横になり、妻のシギュンがそのそばに坐る[1]
  • 世界の終末のおり、東からムスペルの軍勢の船の舵をとってやってくる[1]

ヒュミルの歌

  • トールの山羊の足がびっこになった原因として名があげられる[1]
     ― 管理人注:トールの山羊をびっこにしたのは、ギュルヴィたぶらかしではシャールヴィだとされている

ロキの口論

スリュムの歌

  • トールの槌がなくなっているとの相談を真っ先に受け、彼と共にフレイヤのもとへ羽衣を借りに行き、羽衣をまとって巨人の国へと向かう[1]
  • スリュムから槌を取り戻すため、花嫁に付き従う侍女の姿に変装した[1]

レギンの歌

ヒュンドラの歌

ギュルヴィたぶらかし

  • アース神の中傷者(rógbera ásanna[12])、あらゆる嘘の張本人(frumkveða flærðanna[12])、神々と人間の恥(vamm allra goða ok manna[12])と呼ばれる[1] (Áss エーシル神族の神 [男])[3](kveða 言う、話す)[3](allr すべての [代])[3](guð 神(キリスト教の) [男])[3](mann maðr(男、人)の対格)[3]
  • 巨人ファールバウティの息子で、母はラウフェイまたはナールビューレイストヘルブリンディの兄弟。容貌は美しいが性質がひねくれていて、行動がひどく気まぐれ。悪知恵にかけては誰にもひけをとらず、何事にもずるい手立てを心得ている。いつも神々を苦境に陥れるが、そのはかりごとで救い出したこともしばしばある。妻はシギュンといい、間にナリまたはナルヴィという息子をもうけた。またヨーツンヘイムに住むアングルボザという女巨人との間にフェンリスウールヴヨルムンガンド(ミズガルズの大蛇)ヘルという三人の子供を作った[1]
  • ある日一人の鍛冶屋がアース神のもとにやってきて、立派な砦を造る代わりにフレイヤと太陽と月を報酬に欲しいと申し出、神々側は一冬で仕上げることを条件に、鍛冶屋側はスヴァジルファリという自分の馬の助けを借りることを条件に提示した。ロキのすすめで鍛冶屋はスヴァジルファリの助けを借りることが認められたが、この馬は鍛冶屋の倍もの仕事をこなしたため工事は大いに進み、ロキは怒った神々に、取り決めを破談にするよう脅迫される。ロキは牝馬の姿に化けてスヴァジルファリを誘惑して工事を停滞させ、砦を未完成に終わらせた。ロキはその後もこの馬のところに通い、やがてスレイプニルという優れた馬を産んだ[1]
  • トールと共に東のヨーツンヘイムへ旅に出た。やがてウートガルズとよばれる城市へたどり着き、その地を治める王ウートガルザ・ロキに一芸を披露するように言われ、ロギと呼ばれる者と早食い対決をしたが、敗北した[1]
  • フリッグがさせた誓いによってあらゆる物から傷つけられなくなったバルドルを気に食わなく思い、女の姿に化けてフェンサリルへ行き、フリッグから、ヴァルハラの西に生えている宿り木という若木からは誓いを取らなかった、と聞き出した。ロキは盲目のヘズに、他の者と同じようにバルドルを射って敬意を示すようにと促し、宿り木を射させてバルドルを殺害させた。死んだバルドルがよみがえる為には世界中の生物・無生物が彼の為に泣く必要があったが、セックという女巨人だけは神々の要請があっても泣かなかった。人々は、この女巨人の正体はロキであったろうと推測している。この一連の出来事に神々が激怒すると、ロキは逃げ出してある山に身を隠し、あらゆる方向を見ることができるように四つのドアをもつ家を建て、昼間にはしばしば鮭に姿を変えてフラーナング(滝)というところに身を隠した。家にいる時はリンネルの糸を手に取り、網を編むように結び目をつくっていたが、身近にアース神が迫っていることに気づいて網を火に投げ込み、川の中に逃げた。やってきたクヴァシルが火の中の灰を見つけ、これは魚をとる道具であるに違いないと悟り、アース神らは同じ網を作り上げて滝の中に投げ入れた。鮭に変身したロキは二度網を逃れたものの、三度目に網を飛び越えようとしたとき、トールにつかまれてしまった。そのとき鮭の体が手の中で滑ったので、トールは尻尾のあたりをぐいっと力を入れてつかんだ。そのため鮭の尻尾は先細りになっている。捕まえられたロキはアース神によって二人の息子ヴァーリナリあるいはナルヴィと共にとある洞窟のところに連れていかれ、ナルヴィから引き出された腸で三つの岩にしばりつけられ、頭上に毒蛇を結びつけられた。毒蛇からはロキの顔の上に毒液がしたたり落ちるが、そばに妻シギュンが立っており、滴の下で洗い桶を支えている。それがいっぱいになり捨てに行くとき、ロキの顔に毒が滴り、猛烈にもがくので大地が震え、地震(land-skjálpta[12])とよばれる現象がおきる。ロキは神々の終末までそこで縛られているという[1] (land 土地、陸地 [中])[3] (skjálfa 震動する、ふるえる)[3]
  • ラグナロクの際には、ヘルのやからを全員付き従えてヴィーグリーズにやってくる。そしてヘイムダルと戦って相討ちになる[1]

詩語法

ロキ、ローズル共に火と関連があり、さらに詩語法ではオーディンヘーニルローズルではなくオーディンヘーニル・ロキで三幅対を成していることから、ローズルと同一視されることが非常に多いが、一方で否定的な意見もある[1][4]

同一視に賛成の意見

  • ローズルとロキは本質的に同一の神であり、世界の始まりから終わりにかけての時間推移の中で生じたオーディンとの関係性によって、ローズル(生命を呼び覚まし、生育する力)とロキ(生命を破壊・絶滅させる感性)の二神に分裂した:ペターセンの解釈[4]
  • ルーン文字のLuhþurar(火をもたらす者)はLóðurrの語源である:オルリックの解釈[4]
  • LokiはLoþtrあるいはLóðurrの短縮形である:ヨーハネッソンの解釈[4]
  • 「狡猾な者」を意味するルーン文字LogaþoreとLóðurrを結びつけ、さらに狡猾な者はロキ以外に無いということから、ロキという名はLogaþore、つまりLóðurrの短縮形である:E・A・フィリップソンの解釈[4]

同一視に反対の意見

  • もともとロキとローズルは別個の神であり、ロキがその地位と役割を吸収し、ロキ本来の悪の性格と、ローズル由来の善なる性格を併せ持つようになった。また、人間に熱を与える行為から、ローズルは朝の光の神であるヘイムダルと同じ神と見なすべき:ブランストンの解釈[4]
  • 否定的、あるいは根拠が不足している:デ・フリース、デヴィッドソン女史の解釈[4]

その他の意見

  • Lóðurrの古形をLoðverr(verr 夫、男 [男])[3]と見なし、さらにこれを多産豊穣の女神Loðkona(kona 女 [女] 英語のqueenに相当)[3]に対応する男神の名であるとし、ローズルは豊穣の神であると考える:J・サールグレン、ホルツマーク女史の解釈[4] 
  • Hveðrungr[3] フヴェズルング[1] [男][3]
  • Loptr[1][13](ロプト[1]) 大きく成長したもの[1]

ロキの名に関連するケニング

    ヘイムダルを表すケニング
    • Loka dólg[9] ロキの敵[2] (dólgr[9] 仇[2]) [9]-15.
    フェンリルを表すケニング
    • mǫgr Hveðrungs[3]、megi Hveðrungs[12] フヴェズルングの子[1] (mǫgr 息子 [男])[3]
  • lúka[3] 閉じる[3] 英語のlockに相当[3]

新釈北欧神話版

ヴェーの項参照

オーディンヘーニルの義兄弟。両性具有の少年。
明るく人懐っこい性格とその中性的な見た目から、男女問わず多くの住民に愛されている。

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用語を元ネタに用いた作品の一例