『ヘイムスクリングラ ―北欧王朝史―』レビュー

この記事では、『初心者向け北欧神話ガイド』で紹介しきれなかった北欧神話本を紹介します!
※初心者~マニアまでの必読本については『初心者向け北欧神話ガイド』を参照してください

今回紹介する本はこちら!

  • ヘイムスクリングラ全文の日本語完訳が読めるほぼ唯一の資料
  • アースヴァンの戦争が詳しく載っている
  • 電子書籍でも販売している
  • オススメ度  ★★★★★
  • 初心者向け度 ★★★☆☆
  • 入手難易度  ★☆☆☆☆

スノリによって編纂された、ノルウェーの王朝の系譜と歴史をまとめた歴史書の日本語完訳本で、(管理人が知る中で)日本で唯一、全文の完訳が読めるものとなっており、(一)から(四)の全四巻発売されています。

ヘイムスクリングラ」では、「スノリのエッダ 序文」と同様、アースヴァンたちは空想の世界に生きる超常の存在ではなく、実在の土地や国に生きる、特別な力をもつ英雄として描かれています。ノルウェーの王朝はそんな歴史上の英雄たちを祖先としていて、代々こういうふうに連なってきましたよ、ということを記した歴史書で、日本で言うところの古事記や日本書紀のようなものと考えて相違ないでしょう。

各巻の内容は

第一巻
第二巻
第三巻
第四巻

となっています。

上記のなかで、神話時代に関連する内容は一巻の「ユングリンガサガ」第一章「大陸」から第十章「フレイの死」までと少ないものの、古エッダスノリのエッダでは軽く触れられるだけであった、アースヴァンの戦やその後の和平・民族吸収のなりゆきがかなり詳しく語られています
なかでもオーディンの描写は突出しており、彼がいかに素晴らしく特別な存在であったかが流々と語られています。「古エッダ」や「スノリのエッダ」では見たことないくらいに非の打ち所のないカッコイイオーディン描写がみられるぞ!
神話時代にしか興味が無いという方も、アースヴァンの戦争について詳しく知るために、一巻の序盤(ユングリンガサガ第十章まで)だけでも読むことをオススメします。

巻末には簡単な解説や年表、索引付き。

電子書籍版が販売されており、入手のしやすさ、持ち運びのしやすさが高評価です。
特に電子書籍版は単語検索が出来るので、めちゃくちゃ便利です。

↓電書版↓

また、紙版も新品で購入出来ます。

↓電書版↓

神話時代の部分のみ読みたい場合は、第一巻のみの購入か、あるいは紙版を図書館で借りて、著作権法上問題ない範囲での複写を行うとよいでしょう。

  • 法で定められた範囲以上の複写は、著作権者の許諾を受けた場合を除いて行わないでください
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