Njörðr[9][12][16][23]、Niorðr[13]、Niǫrðr[13]、Njörð[22](ニョルズ[2][7][10][11][16][18][23][44][46]、ニヨールド[25]、ニオールド[23]、ニオルド[23][26])
原典版
概要
- 海神[11]。航海と漁撈を護って、風の向きを支配し海と火とを鎮める[23]
- 高くそびゆる宮居を治める、「人間の無辜の王」[23]
- はじめオージンを中心とするアース神族と敵対したヴァン神族に属し、両神族間に講和が結ばれたとき、ニョルズとその子フレイとフレイヤは人質としてアース神族側に引き渡された[16]。スノリのエッダでは二神族間の区別が曖昧になり、ニョルズ父子はアース神とみなされる[16]
- ヘイムスクリングラではオージン王の後を継いでスウェーデンの支配者となり、また10世紀のノルウェー人たちも豊穣と平和をニョルズとフレイに祈願していた。またこの神名を含む地名の分布から判断する限り、スウェーデン中部のメーラル湖周辺と西ノルウェーおよびオスロ湾一帯でもっとも信仰されていた神であると推測される[23]
- 『デンマーク人の事績』にて、海上生活を望むハディングが森での田舎生活を望む妻と価値観が相違する場面を描く歌は、「ギュルヴィのたぶらかし」中の海神ニョルズと山の巨人の娘スカジのふたりの歌を下敷きにしている[11]
― 管理人注:また、レグニルダが足の傷に埋め込んだ指輪を頼りにハディングを探し出し妻になる場面も、スカジが足だけを判断材料にニョルズを夫に選んだ場面と酷似している
ヴァフズルーズニルの歌
グリームニルの歌
スキールニルの旅
ロキの口論
スリュムの歌
ギュルヴィたぶらかし
- アース神の一人。ノーアトゥーンに住む。風の動きを支配しており、海や火を鎮めるため、航海したり魚をとったりする人は、彼に祈願するとよいといわれる。またすこぶる裕福で財産家であるため、それらを求めるものに土地でも動産でも与えることができる[1]
- もともとアース神ではなく、ヴァナヘイムで育て上げられたのだが、ヴァンル神族たちが彼をアース神のところに人質として差し出し、その代わりにヘーニルを人質にとったことで、神々とヴァンル神の和解の因になった[1]
- 巨人スィアチの娘でスカジという者を妻にしていたが、スカジは山の奥のスリュムヘイムというかつて父が住んでいたところに住みたいと望むが、ニョルズは海の近くにいたいという。そこで二人は九日だけはスリュムヘイムに滞在し、次の九日間はノーアトゥーンに住むことで妥協したが、お互いそれぞれの場所が気に入らず、結局スカジは山に帰ってスリュムヘイムに住み、ニョルズはノーアトゥーンに帰り、フレイとフレイヤという二人の子供を得た[1]
- フレイが誰とも話をせぬほど怒っているのを心配し、下男のスキールニルに、その原因を聞き出すようにいいつけた[1]
詩語法
- 裁き手となる十二名のアースに数えられる[2]
- エーギルをもてなす酒宴の席に参加する[2]
- ノーアトゥーンを治める[2]
- 父シャチの敵を討つために単身アースガルズに乗り込んだスカジに対する和解の条件として、足だけを見てその夫を選ばせたところ、バルドルの代わりにニョルズが選ばれた[2]
ユングリンガサガ
- ヴァンにいたころ、妹を妻にしており、間にフレイとフレイヤをもうけた。Njörd hinn auðga[22] (裕福なニョルズ)[18](auðgi 富裕者)[16]と呼ばれ、ヴァンのなかでもっともすぐれたものとされ、アースとヴァンの和平の人質として、息子のフレイと共にアースのもとへ送られた。そしてフレイと共に供犠の司祭に任じられ、アースの人々の司祭になった。その後オーディンや他のすべての司祭、民衆と共にアースガルズを離れ、シグトゥーナでノーアトゥーンという土地を与えられ、そこに住みついた[18] (hinn [代] あの)[3](auðr 富、金製の調度 [男])[3]
- スカジという女を娶ったが、スカジはニョルズとの結婚生活を望まずオーディンと再婚した[18]
- オーディンの死後はニョルズがスウェーデン人の支配者となり、人々からdróttin[22](王)と呼ばれた。ニョルズの時代は大変な平和とこの上ない豊作が続いたので、ニョルズが豊年と人々の富を支配していると信じられた。ニョルズもまた病死したが、死ぬ前にオーディンと同じように体に印をつけさせ、火葬にされた。ニョルズ亡き後は、フレイがスヴィーショーズを治めた[18] (dróttinn 主人、領主 [男])[3]
ソルリの話とヘジンとホグニのサガ
- Van[9] ヴァン[2] (Vanr ヴァンル神)[1] [9]-13.
- Vanaguð[9] ヴァンの神[2] (guð 神(キリスト教の) [男])[3] [9]-13.
- Vananið[9] ヴァンの一族[2] (niðr 親族 [男])[3] [9]-13.
- föður Freys[9] フレイの父[2] (fǫður faðir(父)の属格形)[3] [9]-13.
- föður Freyju[9] フレイヤの父[2] [9]-13.
- fégjafa guð[9] 財産贈与の神[2] (fé 家畜 [中])[3](gjafar gjǫf(贈り物)の属格形、複数形)[3] [9]-13.
ニヨルドの名に関連するケニング
フレイを表すケニング
フレイヤを表すケニング
フノスを表すケニング
男を表すケニング
- Njarðar、Niarðar[13] ニョルズの[1]
- nert[23] アイルランド語で「力」[23]
- 羅語Nerthus[23](ネルトゥス[23]) ユトランド半島からエルベ流域に居住していたゲルマンの七部族が共通に尊信していた母なる大地。この名はゲルマン祖語形Nerthuzを正確に表し、かつNjörðrとも対応する。豊穣神はよく一対で信仰されることが知られていること、また古典資料では女神とするものがエッダ神話では男神となっていることが多いことから、タキトゥスが男神ネルトゥスの名を女神と誤って聞き、女神の名(例えばErthō(大地)だったかもしれない)を記録し損ねたのではないかとする説もある。あるいは、ネルトゥスはもともと両性的神であった、または女神がいつの間にか性を転換したか、単純に男神と女神を誤り伝えたとする説も唱えられている[23]
ニヨルドの名が由来の人名・地名
参考文献
新釈北欧神話版
第一章
ヴァン神族の女王グルヴェイグの弟。
ややスキンシップの激しいところのある、人懐こい青年。
黄金のリンゴの管理者として、アースガルドに滞在する。
第二章
ヴァンの王族出身の青年で、フレイとフレイヤの父。
わずかに残るヴァンの民を束ねつつ、オーディン不在時にはアースガルドの主神代理も務める。







